2016年3月24日 (木) 掲載

◎2次交通準備万全、新幹線機構がマップ作成

 北海道新幹線開業まで残すところあと2日となり、交通面で観光客を迎える関係者の準備は万全だ。市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構は、新函館北斗駅からの交通アクセスなどをまとめたマップを製作、26日に配布を始める。函館バス(森健二社長)では、西部地区の観光スポットを循環する「元町・ベイエリア周遊号」の新デザイン車両を開業日から走らせる。

 同機構が新たに発行するのは「はこだて公共交通楽旅(らくたび)まっぷ」。これまで各交通事業者によって発信されていた情報を一元化し、函館市内の交通網を分かりやすくまとめて観光客の利便性向上を図るのが狙いだ。

 マップでは新函館北斗―函館間のアクセス列車「はこだてライナー」のダイヤをはじめ、函館市電や函館駅から観光地へ向かう各種バスの路線図と所要時間、運賃などを紹介。バスの乗り方や定額制タクシーの料金なども盛り込んでいる。縦約20センチ、横約10センチの折り畳みタイプで、広げるとA2サイズになる。

 市内の観光案内所や宿泊、観光施設などに設置するほか、26、27日は函館駅で旅行客らへ配布する。同機構の永澤大樹事務局長は「利用者の反応を見ながら、今後マップをさらに充実させていきたい」としている。(山田大輔)



◎元町循環バス デザイン一新

 函館バスは開業に合わせ、元町・ベイエリア周遊号で使用する車両のデザインを一新。函館山、五稜郭タワー、金森赤レンガ倉庫群など市内の観光名所をあしらい、「函館観光の楽しさ、わくわく感を表現した」(同社)。

 観光路線バスとしての使いやすさ、分かりやすさを高めようと、同機構の二次交通充実化部会がデザインの変更を同社に提案。このほか22カ所のバス停のうち14カ所を同様のデザインとした。事業費は約400万円で、うち200万円を同機構が負担した。

 26日には開業を記念して終日無料運行するほか、午前8時40分からJR函館駅前バスターミナルで出発セレモニーを実施する。同社バス事業部の内澤博昭部長は「函館の観光振興の一助となるよう、今後も努力していきたい」と話した。(金子真人)



◎全国学校図工美術写真公募展で田中君が文科大臣賞

 函館椴法華小学校2年の田中希旺(きお)君(8)が、「第7回全国学校図工美術写真公募展」の小学生の部で、最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。田中君は「一番いい賞と聞いてびっくりした。うれしい」と受賞を喜んでいる。

 図工や美術の授業に写真を取り入れ、心豊かな感性と想像力をもった子どもたちを育成しようと、日本広告写真家協会が全国造形教育連盟と共催。今回は全国32の小・中学校から2436作品が寄せられた。

 同校の1、2年生10人は昨年夏、素材を持ち寄り一人一つの工作「ともだちハウス」を製作。そこに住むキャラクターや暮らしぶりを想像しながら、似合う背景や角度を探して児童自らが撮影した。指導した木村伸仁教諭は「カメラを使うことで、発見したものを即表現できる。作品の美しさを際立たせる工夫が楽しみながら学べる」と話す。

 田中君の作品は花の妖精が住む「しあわせの国」。牛乳パックや空き箱、段ボール、紙コップなどでさまざまな「家」を作り、校舎のそばで80枚以上撮影した。アジサイが咲く自然の中に〝町〟を溶け込ませた。「花に似合うのは妖精だと思った。難しく考えず、気楽に写真を撮った」と田中君。出品の際には、「優秀な妖精がいたり、間抜けな妖精がいたりします。楽しい町です」とコメントを添えた。

 同協会が出版した作品集「始めようカメラの授業・第7集」の中で、審査員は「耳をじっと澄まして見つめていると、一つ一つの家の中から楽しげな妖精の姿やお隣同士の妖精の会話が聞こえてきそうです」と評価している。(稲船優香)


◎地域防災計画を改訂

 函館市防災会議(会長・工藤寿樹市長)が23日、市役所で開かれ、恵山の火山災害への対策強化を中心に改訂を加えた市地域防災計画を決定した。気象庁が同日、運用を開始した恵山の噴火警戒レベルの記載をはじめ、災害対策基本法の改正などを踏まえて、土砂災害対策の強化などと合わせて、内容を見直した。

 常時観測火山に位置付けられる恵山の対策では、噴火警戒レベルの段階に応じた住民行動や想定される現象をまとめ、避難行動や関係機関の対応などを地域防災計画に記載した。

 また、改正活動火山対策特別措置法(活火山法)に基づき、防災会議の恵山火山防災対策部会を廃止し、新たに恵山火山防災協議会(会長・工藤市長)を設置したことを報告。同日から恵山、椴法華支所管内の対象地域ごとの避難方法などを盛り込んだ避難計画の運用を開始した。両地区の約2000世帯を対象に、内容を分かりやすくまとめた恵山火山防災ハンドブックを作成し、近日中に配布する。

 札幌管区気象台の担当者は噴火警戒レベルについて説明し、「恵山は全くの静穏な状態だが、噴火が想定される火口と居住域が近い。火砕流や火山泥流が発生した場合は、被害発生が予測される」などと話した。

 このほか、国が指定する火山災害警戒地域で、駒ケ岳の対象地域に函館が含まれなかったことから、森町、七飯町などで構成する駒ケ岳火山防災会議協議会から退会する方針が示された。(今井正一)