2016年3月3日 (木) 掲載

◎駅前商業地を臨時駐車場に

 【北斗】市議会第1回定例会は2日も一般質問を続行、4人が登壇した。市は北海道新幹線の新函館北斗駅前に企業進出が決まっていない商業地2・9ヘクタールのうち、1・9ヘクタールを開業時から9月30日まで、臨時駐車場として活用する方針を明らかにした。

 渡野辺秀雄氏(公明党)への答弁。

 これまでに駅前商業地に進出が決まったのはレンタカー会社7社とタクシー会社1社、道営住宅、ファームレストラン、ホテルを中心とした複合施設にとどまっている。高谷寿峰市長は「同時並行で本来の目的である商業地としての活用を目指し、企業誘致活動を展開する」と述べた。

 このほか、3億5267万円を追加し、総額を205億6040万円とする本年度一般会計補正予算案など議案8件を原案通り可決して休会した。

 本会議終了後に予算審査特別委員会を開き、委員長に坂見英幸氏(新政会)を決めた。

 一般質問での主な質疑は次の通り。

 小泉征男氏(穂青会) 「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り込んだ新函館北斗駅と周辺での雇用創出で、雇用増加数300人について。

 高谷市長 現状で決定している進出企業で130人、期待を込めた数値だが今後の立地で170人の雇用創出を見込んでいる。

 前田治氏(共産党) マイナンバーカードを申請した件数は。

 高谷市長 今年2月15日現在で1937人となっている。

 藤田啓実氏(共産党) 不登校の児童・生徒の実態と、不登校が心配される児童・生徒はどの程度いるのか。

 吉元正信教育委員会委員長 今年1月末現在で小学校6校で11人、中学校4校で39人の合計50人が不登校となっている。不登校が心配されるのは小学校3校で7人、中学校4校で8人の合計15人。保護者との連絡や家庭訪問、教育相談などを行い、不登校の解消に向けて取り組んでいる。(山崎大和)



大妻高家政科3年12人、保育技術検定1級4種目合格

 函館大妻高校家政科子ども文化コースの3年生12人が、保育士に求められる知識を問う「保育技術検定」(全国高校家庭科教育振興会主催)の4種目全てで1級に合格した。3年間の努力を実らせた生徒は「入学当初からの目標がかなってうれしい」と喜んでいる。

 検定は「造形表現技術」「音楽・リズム表現技術」「家庭看護技術」「言語表現技術」の4種目で、それぞれ1級から4級まである。12人は1年次から合格を重ね、昨年11月~12月に掛けて1級の4種目を受検した。

 このうち、音楽・リズム表現技術の1級は、ピアノ演奏と童謡の弾き歌いが課される。高田綾女さん(18)は「ピアノは初心者。朝や放課後にも学校で特訓した」、関吉彩香さん(同)は「キーボードを買って自宅で練習した」と、それぞれ工夫しながら努力を続けたという。

 同コース3年生のほとんどが保育の道へ進む。鳴海真由香さん(同)は「将来に生かせる知識を学べた。保護者から信頼され、子どもから好かれる保育士になりたい」と意欲十分。川端亜弓さん(同)も「アルバイト、部活動で大変な毎日だったが、指導してくれた先生に感謝している。恩返ししたい」と話す。

 子ども文化コースは2013年度に新設。1期生24人を送り出す工藤真知子主任教諭は「3年生には自分の可能性を信じて一歩ずつ進み、将来は函館で活躍してほしい」とエールを送った。(稲船優香)



◎困窮世帯の中学生 学習支援

 函館市議会第1回定例会は2日、各会派の代表質問が始まった。工藤寿樹市長は新年度、生活保護受給世帯を含めた生活困窮世帯の中学生を対象に、学習支援事業に乗り出す方針を示した。〝無料学習塾〟の形式をイメージしており、引きこもりの子どもへは個別訪問し、親に対する養育支援などを行いながら、生活保護や貧困状態からの自立につなげる。

 子どもの貧困対策について、道畑克雄氏(民主・市民ネット)と茂木修氏(公明党)がただした。

 国は昨年4月施行の「生活困窮者自立支援法」に基づき、各自治体に生活困窮世帯の子どもを対象とした学習支援を実施するよう指示。新年度は高校中退防止と家庭訪問の取り組みの強化をうたっており、市は生活困窮世帯で塾に通えない中学生の高校進学に向けて後押しする。

 学習支援事業は、法人格を持つ民間事業者に委託して実施。プロポーザル(提案型公募)で事業者を選定する予定で、7月ごろから業務を開始したい考え。

 市は本年度、子どもが小・中学校に入学する際の入学準備給付金制度や学童保育料の軽減といった新たな施策を創設するなど、子育て世帯への支援を強化している。だが、塾に通えず学習速度に差が付いたり、孤立化してしまったりする子どもが潜在的にいると考えられる。

 また、「親が就労できずに進学が難しくなり、子どもの学習意欲低下を引き起こす可能性もある」(市生活支援第1課)ことから、学習面の支援と合わせ、市の支援員が引きこもりの子どもを抱える生活困窮世帯を個別訪問。進学に必要な公的サービスの情報提供や、親の就労支援につなげる狙いがある。

 学習と生活の両面から支援し、子どもの居場所づくりとしても機能させたい考えで、工藤市長は「貧困の連鎖の防止に期待を持てる」と述べた。  この日の代表質問には3氏が登壇した。(蝦名達也)


◎元町循環バス、開業日に無料運行

 函館バス(森健二社長)は北海道新幹線が開業する26日、西部地区の観光スポットを循環するバス「元町・ベイエリア周遊号」を無料運行する。当日に新幹線で多数訪れる旅行客の利便性と回遊性を高め、観光の足として活用してもらう。

 同バスはJR函館駅を起点とし、同日以降は20分(冬期は40分)間隔で1日27便運行。通常料金は大人210円、子供110円で、函館朝市や金森赤レンガ倉庫群、函館山ロープウェイ山麓駅など19の停留所を約30分かけて周遊する。

 無料運行にあたり、市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構が費用を全額負担。利用客の利便性向上を図ろうと同機構と同社は連携してさまざまな取り組みを行っており、23日には同バスの車両に市内の観光名所をデザインした新たなラッピングバスを投入する計画だ。

 26日は、午前8時40分から同駅4番乗り場で出発セレモニーを行う。森社長は「ベイエリアは函館観光のスタートの場所。周遊バスを利用し、函館での旅を楽しんでもらえれば」としている。(山田大輔)