2016年3月30日 (水) 掲載

◎石田君・橋野君(函水高)佳作に

 【北斗】函館水産高校(三ツ石茂之校長)3年の石田雅一君(18)と2年の橋野丞矢(じょうや)君(17)が、海運や船に関する新聞を制作する2015年度「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」(日本海事広報協会主催)の佳作に入賞した。昨年の戦後70年に合わせ、1945年7月14日に函館空襲で戦没した駆逐艦「橘」を通じ、平和を考えた活動が高く評価された。

 佳作は全応募作品46校593点の中から、小学生部門10点、中学生部門11点、高校生部門3点が選ばれた。同校は初めての応募で入賞という好成績を収めた。

 2人は「駆逐艦『橘』から学ぶ」と題し、A3版2枚の新聞スタイルで応募。昨年7月に、橘の乗組員だった三留直高さんと堀口賴秀さんに函館でインタビューした様子や、同10月に函館で開かれた第59回全道高校新聞研究大会で、橘の調査・研究内容を発表したことなどを記事にまとめた。

 石田君は「元乗組員の取材が印象深い。私たちの世代になると戦争の話を聞く機会がほとんどないので、生の声を聞けたのが何より勉強になった」、橋野君は「テレビのニュースでしか知らなかった戦争について、体験者の声を聞いて心を打たれた」と振り返る。

 橘に関する調査は、生徒の有志活動「北のくにづくり2015」として2人が中心となり、我妻雅夫教諭が指導。09年度に当時の1年生が始めたのが最初で、地域とのつながりを大切にしながら、活動を継続してきた。

 新聞づくりに関し、石田君は「どうすれば相手に上手く伝わるかを考えるのが難しかった」、橋野君は「取材のとき、知らないことがいっぺんに入ってきて苦労した」という。

 2人は「節目の年に、みんなに戦争について考えてもらう良い機会になったと思う。後世に伝えていくことができれば」と意気込む。石田君は今月1日に同校を卒業し、同校専攻科機関科(2年間)に進む。船乗りを目指しながら、大戦史の研究を今後も続ける考えだ。(山崎大和)


◎フリーペーパーのサカラが創刊、16日には関連イベントも

 「坂から広がる、つながる、おもしろマガジン」をコンセプトに、函館西部地区の新たな魅力を独自の切り口で発信するフリーペーパー「ハコダテ サカラ」の創刊号が4月1日に発行される。4月16日午前11時からはまるたまスクエア(元町2)で関連イベントも開催し、同地区ならではの楽しみを提案する。

 特集は「サカミチ、モトマチ、ミスマッチ」とし、横浜、神戸、函館、大阪の元町地区を紹介しながら各地の違和感と調和の間に何が見えるのかを考察する。

 このほか、道教育大に通う学生やフードスタイリストの随筆、市内の古物商が相談者の悩みに応えるなどの投稿コーナーを充実させた。編集室長で作家の藤島斉さん(46)は「旬や時流にかかわらず、あくまでもサブ(少数派)の立場で面白いと思えることを発信し続けたい」と話す。

 4月16日は「サカラ祭」第1弾として午前11時から、誌面で紹介しているフードスタイリストの近藤緑さんによる「ミスマッチ食堂」を、午後6時からフィンランドの伝統的弦楽器カンテレのコンサート(有料)を開催予定。発行人の北見伸子さん(43)は「遊び心と旅人目線、絵心を忘れずに発行を楽しみたい」と意気込む。

 創刊号はAB判(縦21センチ、横25・7センチ)12ページで3000部発行。順次市内外へ配布する。編集室では、投稿者や協力者を募集しており、メール(marutama.square@gmail.com)から申し込む。問い合わせは同編集室(☎0138・76・3749)へ。(半澤孝平)


◎現職と新人一騎打ち 松前町長選告示

 【松前】任期満了に伴う松前町長選が29日告示された。新人で元町政策財政課主幹の小野寺則之氏(48)と、現職で再選を目指す石山英雄氏(60)=いずれも無所属、届け出順=の2氏が立候補を届け出て、前回(2012年)に続き一騎打ちの選挙戦に突入した。投票は4月3日で、即日開票される。

 この日は両陣営とも選挙事務所で出陣式を行い、小野寺氏は事務所前、石山氏は町役場前で第一声を上げた。その後、両氏は選挙カーに乗り込み、白神から江良まで町内全域をくまなく回り、支持拡大を訴えた。

 第一声を聞いていた元漁業者の男性(74)は「水産業に携わる町民が、安定して暮らせるような漁業振興策が必須。北海道新幹線開業効果を生かし、サクラや歴史など既存の観光資源に加え、年間を通した観光スポットの整備が必要」と要望。無職の男性(83)は「水産業の活性化が欠かせない。若者が移住したくなるようなまちづくりも重要。町立松前病院は医師などの体制をしっかり確立し、存続させてほしい」と話した。

 期日前投票は30日~4月2日。役場が午前8時半~午後8時。大島、小島、大沢の各支所が午前9時~午後5時。28日現在の選挙人名簿登録者数は7164人(男3385人、女3779人)。(斎藤彩伽、山崎大和)



◎西安ー函館 週3便運航

 函館市は29日、中国の奥凱(オッケー)航空(本社・北京市)が西安と函館を結ぶ国際定期路線を、5月15日に開設すると発表した。毎週水、金、日曜日の3往復とし、国交省の認可後に正式決定する。中国内陸部との路線開設は道内初で、市は高まる訪日観光需要の取り込みと両国の活発な交流に期待している。

 運航ダイヤは毎週水、日曜が西安午前11時発、函館午後4時半着。函館午後5時45分発、西安同10時5分着。金曜は西安午前7時発、函館午後0時半着。函館午後1時半発、西安同5時50分着で、機材はボーイングB737―800(180人乗り)を使用する。

 同社は昨年、天津―羽田線などを就航しているが、道内空港との路線開設は初めて。1月には同社の本社市場部や同社日本代表事務所「インターアビエーションジャパン」の担当者らが市役所を訪れており、冬ダイヤ期間中からの就航を示唆していた。

 片道5時間ほどで結ばれる西安は、中国の王朝だった唐の都城を有した古都の一つで、数多くの史跡、遺跡がある観光都市でもある。

 函館と中国の間では、天津、北京、杭州の3路線が就航しており、北京首都航空による杭州線就航も予定されている。市港湾空港振興課は「今後も中国沿岸部とともに内陸部など、他地域との路線充実に努めたい。航空機によって双方の活発な交流が生まれることに期待する」としている。(蝦名達也)