2016年3月4日 (金) 掲載

◎函館の魅力 丸ごと、新観光パンフ完成

 函館市の新しい観光パンフレット「函館旅時間」が完成した。観光プロモーションなどで活用する総合版と旅行者が手に取りやすいガイドブック版の2種類を用意。函館を代表する美しい建物や風景の写真を数多く掲載したほか、スマートフォンの専用アプリを利用して、観光案内を動画で視聴できる工夫を凝らした。

 北海道新幹線開業で増加が見込まれる、国内観光客をターゲットにしたリニューアル。昨年6月実施の企画コンペには8社が参加し、「アリエル」(海岸町)の提案に決定した。

 函館の魅力を余すところなく紹介する総合版は、A4版32ページで5万部を発行。国内プロモーション活動や物産展などでの配布を予定する。表紙には、夕日に輝く金森赤レンガ倉庫群と函館山の風景写真を採用。元町、ベイエリア、五稜郭、湯の川、函館山の地区別に特集を組み、多彩なスポットの写真を配置した。「函館リノベーション物語」と題して古民家や商店などを再生して営業している店舗・施設を紹介する特集や、グルメ、四季を代表するイベントといったページも用意した。

 ガイドブック版はA5版16ページで23万部を用意。市内観光案内所や函館空港、主要観光施設などで配布を予定。観光客がまち歩きに利用しやすいよう、総合版の内容を凝縮して紹介している。  また、掲載写真の一部には「拡張現実(AR)」機能を活用した動画再生機能を埋め込んだ。スマホやタブレット端末で無料専用アプリをダウンロードして、パンフ上のマークに画面を合わせると動画が自動再生される。各スポットの解説を聞くことができ、旅行の計画やまち歩きの最中にも楽しめそうだ。

 市は今後、最新の情報を追加しながら改訂を進める方針。市観光部観光企画課は「パンフレットを手にしながら、異国情緒あふれる函館で、普段の日常とは違う特別な時間を過ごしてもらいたい」としている。(今井正一)



◎函教大生がサモアでボランティア体験

 道教育大学函館校の2年生3人がこのほど、同大が実施するプロジェクトの一環で、南太平洋上にある開発途上国の島国、サモア独立国を訪れた。現地の教育現場や日常生活に触れながら国際協力活動の一端を体験し、学びを深めた。

 3人は石井洋講師が指導するゼミ(算数教育)の受講者で、相澤琢郎さん(20)と木戸寿樹さん(20)、殿山真吾さん(20)。国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業として行う、初等理数科教育の支援授業に学生ボランティアとして派遣、2月20日に函館を発ち、同29日帰国した。

 主に首都アピアを中心に活動し、現地で3人は、同大附属小学校教諭が実施するワークショップで業務補助をしたほか、日本から派遣された青年協力隊員の活動を体験。国内小学校の教育現場の視察や現地の教員と、意見交換する機会もあった。ホームステイ体験もし、住民との交流や生活、食文化にも触れた。

 3人は「子どもたちが楽しそうに授業を受けていたのが印象的」と口をそろえ、「日本の教育と比較でき、刺激的で意義ある体験だった」(相澤さん)「ホームステイ先で家族のように接していただいた。視野が広がった」(木戸さん)、「日本の国を見詰め直す良い機会になった」(殿山さん)と充実した様子。全員、教師を目指していて「今回の経験を糧にしたい」と意欲を示している。(鈴木 潤)



◎春目指し2240人挑む、公立高一般入試

 2016年度公立高校一般入試が3日、全道で一斉に始まった。道南でも、渡島管内の全日制1953人と定時制36人、桧山管内の全日制251人の計2240人(本紙調べ)が、合格を目指して学力検査や面接に挑んだ。

 函館稜北高校(佐々木光晴校長)では、定員120人のうち推薦入学者を除く実募集人員101人に対し、130人が出願。雪が舞う中、受験生が続々と集まり、直前まで教室で参考書を広げた。男子生徒(15)は「できることはやった。諦めないで、最後まで集中して解きたい」と話していた。  この日は国語、数学、社会、理科、英語の順で行った。函館中部高と市立函館高では、国・数・英の3教科で学校裁量問題を採用している。

 4日は各校で面接が行われる。合格発表は16日。(稲船優香)


◎駅前再開発、新年度早期に再公募へ

 JR函館駅前の市有地を活用した再開発事業に関し、工藤寿樹市長は3日の市議会第1回定例会代表質問で、2016年度早期にプロポーザル(提案型公募)を再度実施する考えを示した。市は年度早々に募集要項をまとめ、夏ごろまでに事業者を選定、9月以降の施設建設着手を目指す。

 小野沢猛史氏(市民クラブ)の質問に答えた。

 予定地は隣接するJR北海道、市土地開発公社の所有地と合わせた約1万平方メートル。12年度の公募で決まった洋菓子製造販売のペシェ・ミニョンが事業を中止、本年度は函館地区バス協会に土地を無償貸与し、観光バスの臨時駐車場として活用している。

 企業側への打診について、同市長は「大規模なテーマパークを手掛ける企業に活用の可能性を打診したが、施設の規模などの面で進展しなかった」と明かす。その後、市は前回公募で関心を示していたデベロッパーや建設業、不動産業などを対象とした意向調査を踏まえ、複数企業からの応募が見込まれると判断、再公募を決定。昨夏には大手住宅メーカーが複合施設建設の構想を市側に打診しており「再公募を実施するための判断材料とすべき民間動向の一つ。その時点で当該事業の可否を個別に判断せず、再公募で改めて正式な提案をいただけると考えている」と説明した。

 予定地は7~8月にかけ、北海道新幹線開業後イベントの会場として使用されるため、工事着工は9月以降になる。夏ごろまでに建築やデザイン、まちづくりなどに精通した外部有識者を含めた審査委員会を経て、事業者を選定する。

 同市長は「新たなにぎわいが期待できる集客力のある商業施設など、複合的な用途を有する提案が複数見込まれる」と期待を寄せた。(蝦名達也)