2016年4月10日 (日) 掲載

◎「ずーしーほっきー」お出迎え 田んぼアートのデザイン決まる

 【北斗】北海道新幹線新函館北斗駅の北側75アールの圃場(ほじょう)に、色の違う観賞用稲で絵や文字を表現する「田んぼアート」に取り組む「北海道水田発祥の地北斗市田んぼアート委員会」(齊藤哲也委員長)は、アートのデザインを決めた。市公式キャラクター「ずーしーほっきー」をメーンに据え、市の新たな観光名所を目指す。

 図柄はずーしーのほか、道南ブランド米「ふっくりんこ」のロゴとキャラクター、「ようこそ北斗市へ」の文字も。6月5~12日に田植えを行い、市民や高校生、小中学生に体験学習の場を提供するほか、体験ツアーも受け入れる考え。7月10日~8月20日が1回目、9月上旬が2回目の見ごろと想定しており、10月上旬に稲刈りを行う。

 稲の色は白や紅、あかね色、黒を使い、主食用米は緑色となる。駅利用者が駅舎2階から観覧でき、希望者は稲を現地で間近に見られるようにする。

 事務局長で、JA新はこだて大野基幹支店の田山光幸営農センター長は「田んぼの周りに、応援や協賛してくれた団体・企業名を入れたのぼりを立て、PRしたい。新幹線で来る人たちに楽しんでもらえたら」と話している。

 昨年、食育活動の一環で市渡の田んぼ7アールで試験的に田んぼアートを行っており、今年は新幹線開業に合わせ、JAや市が中心となり北斗らしさをアピールしようと企画。市は田んぼアート実施事業として本年度、100万円を補助する。(山崎大和)



◎ベルクラシック結婚式〝プレゼント〟 夫婦の新たな思い出に

 今年でオープン18年を迎えた結婚式場「ベルクラシック函館」(函館市梁川町)は、何らかの事情で結婚式を挙げられなかったカップル10組に無料で式を〝プレゼント〟する。同式場は「企画をきっかけに、挙式の喜びを味わってほしい」とPR。16日まで募集している。

 全国の系列式場で企画しているキャンペーン。チャペル式か神前式を選び、式の形態に合わせた衣装や着付け料、記念写真、ブーケなどが含まれる。希望すれば、祝儀の範囲内で披露宴をプロデュースする。

 結婚式のあり方は近年、変わりつつある。入籍したものの式を挙げない「ナシ婚」が増加。招待客の数も人と人のつながりの希薄化に伴い、減少傾向だという。ただ、長尾篤志支配人は「ナシ婚層の中には、金銭面や家庭内の事情、式の計画中に妊娠が判明した、などでタイミングを逃してしまった方が多くいるはず」と指摘。「結婚式は、祝福や励ましの声をくれる人が周りにいる心強さを実感できる機会。函館で笑顔を増やし、地域を活性化するお手伝いができれば」と話している。

 応募資格は、12月末までに式を行うことができ、新郎か新婦が北海道出身か在住、在勤であることなど。希望者は専用ホームページ(http://kekkonshikipresent.com/campaign_hakodate3/)の応募フォームに必要事項を入力する。25日までに会場を見学し、正式に応募があった中から抽選で10組を選ぶ。問い合わせは同式場(☎0138・55・1200)へ。(稲船優香)



◎15年度観光施設利用、ロープウェイ過去最多182万人

 2015年度の函館市内主要観光施設の入込数がまとまった。函館山ロープウェイは増加する海外客を追い風に、過去最多となる182万876人を記録し、五稜郭タワーは下半期の利用者が伸び、5年ぶりに77万人台を回復した。各施設は、北海道新幹線の開業で見込まれる一層の需要増に期待を寄せている。

 函館山ロープウェイの利用者数は前年度比12・4%増で、4年連続の増加。これまで最多だった1992年の173万人を10万人近く上回った。山麓駅舎の増改築工事で運休した10、11月を除くほぼ全ての月で10%以上増えており、山口倫弘営業企画室係長は「台湾、中国の団体客の利用が非常に増えた。新幹線開業で今年度はどこまで増えるか楽しみだ」と期待する。 

 五稜郭タワーの搭乗者数は同1・2%増の77万4554人で、2年ぶりの増加。上半期は減少に転じていたが、1月が前年同期比で約30%増となるなど、下半期の需要が伸びた。大場泰郎営業部長は「外国人観光客の増加に加え、落ち込んでいた関東方面からのツアー客が回復した」と分析。新幹線開業効果を見込み、16年度は100万人の利用を目指す。

 一方、旧函館区公会堂の入館者数は同2・9%減の15万1554人にとどまった。佐久間浩志館長は「外国人客の利用が伸びたが、国内客の減少分をカバーするには至らなかった」とする。箱館奉行所は同3・5%減の14万4070人。本年度の有料入館者数は16万2000人と大幅な増加を見込んでいる。(山田大輔)


◎航空機、フェリー利用者増 新幹線と相乗効果

 3月26日の北海道新幹線開業によって本州から多くの旅行客が訪れる中、新幹線と競合する航空機やフェリーの利用者も前年と比べて増加中だ。大型連休中の予約も好調で、各社は新幹線との相乗効果による利用者の増加を見込んでいる。

 開業後3日間の新幹線の1日平均利用者は約9900人。前年同時期の在来線に比べて約2・5倍に増加している。

 一方で、函館―羽田線を運航する航空各社によると、3月26~31日の平均搭乗率は、前年同期比で5ポイント前後上昇。大型連休の予約も順調だ。エアドゥの担当者は「今月7日時点の4月28日~5月8日の予約率は前年同期と比べて8・9ポイント高く、個人客の動きが例年と比べて早い」とする。

 また、青函航路を運航する津軽海峡フェリーの3月26~31日の利用者は、同14%増の3414人。定期点検のため、期間中の1日の運航数は昨年より4便少ない12便だったものの、利用者は前年を上回った。

 同社は「新幹線開業による旅行商品の増加で、団体客の予約が好調。青函を周遊するツアーが続々と発売されており、今後の需要の伸びに期待したい」としている。(山田大輔)