2016年4月16日 (土) 掲載

◎レトロな車両 街に溶け込む ハイカラ號今季運行開始

 函館市電の人気車両「箱館ハイカラ號(ごう)」の今季運行が15日、始まった。明治末に客車として製造された当時の姿を再現したレトロな車両は「ガタン、ゴトン」と走行音を響かせて、市民に観光シーズンの到来を告げている。

 1918(大正7)年に函館の街を走り始めて、今年で98年。客車やササラ電車、93年からは現在の姿となり、車両自体も役割を変えながら、函館の変化を見届けてきた。車内には、レトロな制服の専属運転士と女性車掌が乗り込み、車掌が停車や発車の合図として信鈴を鳴らす様子も楽しめる。台車が1つしかなく、独特の揺れや音も人気だ。

 新たに誕生した函館アリーナや、昔ながらの雰囲気を残す西部地区の街並みまで、沿線のさまざまな風景に溶け込む赤い車体は市民や観光客を喜ばせている。

 今季も10月31日まで1日4運行する。繁忙期を除く毎週火、水曜日と荒天時は運休。問い合わせは市企業局交通部事業課(☎0138・52・1273)へ。(今井正一)



◎函館山からの絶景楽しみ! 登山道が開通

 2015年11月から冬期通行止めとなっていた函館山登山道(道道立待岬函館停車場線、3・6キロ)が15日午前11時に開通した。開門を心待ちにしていたドライバーがさっそうと走り、春の函館山を満喫した。

 16台の車列が並ぶ中、函館西署や市、町会などの交通関係者17人が沿道で「旗の波運動」を行い、スピードダウンやシートベルト着用などの安全運転を呼び掛けた。

 15日午前0時ごろから並び、2年連続で一番乗りした市内のパート従業員江口光一さん(53)は「ようやく春が来たと実感する」と喜んだ。埼玉県上尾市の会社員山本暢(とおる)さん(61)は北海道新幹線カラーのレンタカーで車列に加わり、「自分の運転で訪れたい場所だった。夜景もこの目に焼き付けたい」と笑顔を見せた。

 本格的な観光シーズンを控え、レンタカーなどで登頂する車両の台数増が懸念される中、函館西署の伊藤雅彦交通課長は「無理な運転は避け、お互いに譲り合う運転を心がけてほしい」と話していた。

 同登山道は混雑防止のため、一般車両は25日~9月30日の午後5時~同10時が通行禁止になる。(半澤孝平)



◎函館空港民営化に向け意思確認 初の3者トップ協議

 函館を含めた道内の国管理空港の民営化に向けて、函館市、函館空港ビルデング、函館商工会議所の各トップによる会合が15日、同会議所で開かれた。協議終了後、工藤寿樹市長は「函館は民営化に慎重だとか反対だとか言われているが、もともとそういう考えはない。3者で改めて(民営化を進める)意思確認をした。まずは道の考え方を聞く」と述べた。

 工藤市長、水島良治社長、松本栄一会頭らが出席。3氏が民営化に向けた会合を持つのは初めてで、非公開の協議は1時間余りに及んだ。21日に高橋はるみ知事が道内13空港所在地の首長を集め、今後の方向性を説明する会議を予定。事前に函館空港の関係者間の考え方を確認する場として設けた。

 国は函館、新千歳、釧路、稚内の国管理空港4空港を一括民営化(バンドリング)し、この枠組みに市管理空港(旭川、帯広)を加えた6空港のバンドリングも想定される。今後、残る道管理空港をどのように位置付けていくかなど、今後の民営化協議の課題となる。

 函館空港においても地域の路線維持、騒音問題対策、空港ビルの運営の在り方など検討課題は多い。工藤市長は「国管理の4空港はまとまると思うが、(市、道管理を加えた)バンドリングがどうなるか決まっていない段階で、地域の要望をどうするかといった話にはならない。形が決まれば、地域の要望を盛り込んでもらうよう努力はする」と述べた。

 また、松本栄一会頭は「民営化の方向で足並みをそろえ、いろいろなことを考えていくと一致した。内容が分からないことはいろいろあり、これから進んでいくだろう」と述べた。

 さらに民営化で得られる利益を基金化し、道管理空港の維持安定に活用する考えに理解を示し、「北海道の将来は人口減少は避けられず、空路のネットワークは重要。この機を逃すと道財政を考えても空港の改革はできないだろう」との認識を示した。(今井正一)


◎開業効果で予約71%増 JR北の大型連休予約状況

 JR北海道は15日、大型連休期間(28日~5月8日)の14日時点の指定席予約状況を発表した。北海道新幹線(新函館北斗―新青森)の予約率は28・8%。新幹線と在来線特急列車を合わせた道内の予約席数は、前年同期比71・1%増の10万5428席となり、開業効果で大幅に増加した。

 北海道新幹線の予約席数は7万889席で、前年同期の特急「スーパー白鳥」「白鳥」(函館―新青森)の実績と比較し、2・6倍に増加。期間中は、臨時便3往復6本を含む1日最大16往復32本の列車が運行、提供席数は24万6347席で、前年の在来線と比べて3・2倍となる。

 函館―札幌間の特急「スーパー北斗」「北斗」は期間中、最大2往復4本増便し、1日14往復28本運行。本数は前年と比べて8本多く、予約率は25・4%となっている。

 JR旅客6社の予約席数の合計は、同7%増の261万席。北海道新幹線の開業効果で全体を押し上げた。

 北海道新幹線の混雑のピークは、道南への入り込みが29日、Uターンは5月5日の見込み。同社は「サクラ前線の北上とともに、駆け込みで新幹線の予約率が向上することを期待したい」としている。(山田大輔)