2016年4月17日 (日) 掲載

◎函館けいりん開幕、バンク疾走 声援響く

 本年度の函館けいりんが16日、市営函館競輪場(金堀町10)で開幕した。女子選手の気迫あふれる走りが魅力の「ガールズケイリン」も実施され、この日を待ちかねていた大勢のファンが、選手たちの熱のこもった力走に歓声を上げた。

 開幕戦は「FMいるか杯争奪戦」(FII、ナイター)、午後3時すぎの第1レースを前に、続々とお目当ての選手の応援団が来場し、バンク上で展開される勝負に対し「最後まで粘れ」などと声を張り上げて応援した。

 道内では今年3年目となるガールズケイリンでは、バンクを美しく、華やかに疾走する女性選手の姿を見ようと女性ファンも足を運ぶ姿が目立った。

 今年の函館開催は10月中旬までの49日間を予定し、今月22日からは「第11回藤巻兄弟杯争奪戦(FI、ナイター)」、7月23日からの「函館競輪開設66周年記念競輪(GIII)」などが目玉レースとして開催される。

 開幕戦は3日間で、最終日の18日には、ガールズケイリン決勝1着選手を当てるクイズ抽選会などが実施される。(小杉貴洋)



◎地上70メートルをすいすい 五稜郭タワーにこいのぼり

 5月5日の「こどもの日」に向けて、五稜郭タワー(五稜郭町43)に今年も巨大なこいのぼりがお目見えした。3匹のこいが地上70メートルを気持ちよさそうに泳いでいる。

 同社で30年以上続くこの時期の風物詩。子どもたちの健康を願い、吹き流しとともに全長12メートルに及ぶ黒色の「真鯉」など3匹を揚げている。16日の函館は青空が広がり、3匹は穏やかな風に揺られていた。

 18日以降には、青森県大間町のまちおこし団体「あおぞら組」が制作した「マグロのぼり」も加わる。同タワーは「北海道新幹線が開業し、青函の絆をさらに深めていきたい」としている。

 掲揚は5月5日まで。時間は午前8時半~午後5時。雨天や強風の場合は中止する。(稲船優香)



◎道南公共工事過去10年で最低

 北海道建設業信用保証(札幌)がまとめた、前払い金保証実績に基づく2015年度の公共工事動向によると、道南の請負金額は前年度比22・5%減の673億1300万円で、過去10年で最低の水準となった。北海道新幹線関連による特需が終了したことに加え、国や道からの発注工事が激減。先行きも好転材料が少なく、業界では不安の声が上がっている。(山田大輔)

 道南地区の減少は2年連続。渡島は前年度比26・3%減の506億6400万円、桧山は同7・7%減の166億4900万円だった。

 道全体では同11・4%減の8451億2900万円。発注者別にみると、国が同12・4%減の2713億500万円、道が同8・9%減の1837億7300万円、市町村が同14・3%減の2508億6500万円となっている。

 政府の景気対策として、14年度に大幅な前倒し発注が行われた反動もあり、道南全体の減少幅は、直近10年で最大となった。函館建設業協会の菅原徹副会長は「一般土木や港湾を中心に、道の発注分がかなり落ち込んだ」と話す。

 政府は5日の閣議で、本年度予算のうち、公共事業などの8割にあたる10兆円規模を9月末までに前倒しして執行する方針を決めたが、市内の関係者は「急激に上向くことは期待できない。実際に工事が始まるのは大型連休後で、それまでに持ちこたえられない企業が出てくる恐れがある」と懸念する。

 4月に入り、道南では体力を失った土木工事業2社の倒産が実際に発生しており、今後も増加する可能性をはらむ。

 また、市内の建設業では人手不足も深刻な問題だ。函館公共職業安定所によると、建設関連の求人数は、求職者数の1・5倍を超える状態が続いている。同協会の福西秀和副会長は「技術者が足りない上に、作業員の高齢化も進んでいる。需要が増えた時に対応できるよう、業界全体で取り組まなければならない」としている。


◎アースデイでイベント

 大学生有志による手作りイベント「アースデイ函館2016~地球のため、未来のために~」(実行委主催)が16日、函館市青年センターで開かれた。講演やトークセッション、ライブなど多彩なイベントを繰り広げ、市民や学生が環境問題に対する意識を高めた。

 世界的ビッグイベント「アースデー(地球の日)」(4月22日)に合わせ、函館でも地球環境を守る意思表示をしようと、代表の大瀧哲彰さん(21)=道教育大函館校国際文化・協力専攻4年=が中心になって企画した。

 「環境問題の被害者・加害者にならないために、あるべき未来の姿とは」をテーマにしたトークセッションでは、道教大の田中邦明教授、北海道地球温暖化防止活動推進員のピーター・ハウレットさん、大瀧さんがマイクを握った。大瀧さんは「アースデイを通じ、一人一人がアクションを起こせば、将来世代が住みやすい地球を残せる」と力を込めた。

 田中教授は「環境問題が防げないのは、加害行為を続けることが経済的利益につながるからだ。加害する側と被害を受ける側に格差があり、この格差がない社会をつくっていかなければ」と強調。ハウレットさんは「石油や原子力に起因するエネルギーに頼るのではなく、自然エネルギーを活用すべきだ」と訴えた。

 このほか、世界の多様性や貧富の格差を考える体験型ワークショップ、マイボトル作り、水のろ過体験、ペットボトルキャップアート、危機遺産を学ぶ展示などがあり、来場者を楽しませた。(山崎大和)