2016年4月18日 (月) 掲載

◎北斗星保存、募金1000万円突破

 【北斗】市民有志でつくる「『北斗の星に願いを』推進委員会」(澤田導俊代表)が、寝台特急「北斗星」の客車を北斗市内に保存する計画で、クラウドファンディング(ネット上で賛同者から資金を集める仕組み)で寄せられた金額が目標の1000万円を超えた。ファンの熱意を受け、開放型B寝台車が6月にも茂辺地地区に姿を現す。

 澤田代表(36)=澤田米穀店専務取締役=によると、16日午前5時ごろ、金額が1014万円(支援者数約490人)に達した。1両目の輸送費と設置費に充てる。2両目となるロビー室とB個室ソロの合造車の移設に向け、第2目標を1250万円に設定しており、クラウドファンディングを27日まで続ける。2両目はJR北海道が所有するオリジナル車両で、保存を切望するファンが多く、1000万円到達後、早いペースで募金が集まっているという。

 車両はJR北から譲渡が決まっており、市有地を無償で借りて設置。資料館やカフェなどに活用する予定だ。

 車両の引き取りに関し、JR北から4月中に回答を求められたため、募金を3月28日に開始。澤田代表は「当初は1カ月で1000万円という厳しい目標ではあったが、結果的に20日間で達成できた。北斗星は全国のファンにとって特別な存在で、愛されているとあらためて認識した。観光資源としても有効。保存する責任を強く感じる」と話している。

 引き続き資金の獲得に向け、委員会は23日午前11時~正午、木古内町の道の駅みそぎの郷きこないで、チラシ配布を行う予定。(山崎大和)



◎道の駅「みそぎの郷きこない」来場者数10万人突破

 【木古内】北海道新幹線木古内駅の近くにある町観光交流センター、道の駅「みそぎの郷きこない」(本町338、浅利文博センター長)は17日、オープンから約3カ月のハイスピードで来場者数10万人を突破した。浅利センター長は「ゴールデンウイークの時期だと見込んでいたので驚いた。今後も観光客と地域住民のニーズに応える商品・催事展開に努力していく」と話している。

 「みそぎ―」は、町の伝統神事「寒中みそぎ祭り」と地元道南スギがコンセプトで、渡島西部・桧山南部9町の広域観光の拠点施設を担う。道の駅としては、新幹線駅舎の近くにある全国にも類をみない珍しさから、連日多くの客が訪れている。9町の特産品や土産品など500点以上の豊富な品ぞろえと、世界的料理人の奥田政行シェフが監修を務めるイタリアンレストラン「どうなんデス」が人気を集めている。

 10万人目の幸運をつかんだのは、正午ごろに来館した函館市美原在住の川岸さおりさんと長男・歩夢君(13)、長女・このみちゃん(3)の3人。大森伊佐緒町長と同施設運営法人の北島孝雄理事長らが拍手で祝福し、記念品(3万円分商品券や地酒「みそぎの舞」など)をプレゼントした。初めて来たという川岸さんは「施設はきれいで買い物も楽しめた。びっくりしたけどうれしい」と喜んでいた。(斎藤彩伽)



◎多重債務相談11件減268件

 函館市市民部くらし安心課に2015年度寄せられた多重債務相談は、前年度比11件減の268件となった。増加に転じた前年度から再び減少したが、自己破産を選んだ相談者は27人と、弁護士や司法書士に対応を引き継いだ案件の中で占める割合は、依然として高い。同課は「多重債務は誰もがなり得る問題。1人で悩まず早期に相談してほしい」と利用を呼び掛ける。

 同課のまとめによると、15年度は277人から268件(電話対応を含む)の相談が寄せられた。対応を引き継いだ45件のうち、自己破産が前年度比3件減の27件と、6割を占める。債権者と弁護士、司法書士間で返済方法を和解する「任意整理」が14件と前年度から1件増えたほか、法テラス(日本司法支援センター)を通じ、弁護士・司法書士費用などを国が一時的に立て替える「民事法律扶助」を利用したのが、同6人減の33人(73・3%)だった。

 相談件数の減少は全国的な傾向。14年度については、インターネットやリーフレットなどを活用した市の相談窓口周知の取り組みが奏功し、開設以降初めて増加に転じた。

 一方で、例年借金のきっかけとして最も多いのは「低収入」だといい、14年度は半数以上を占めた。債務者の中には家計管理がうまくできず、どんどん借金をしてしまう人や負担が重く、うつ病など「心の問題」を抱えてしまうケースも考えられ、同課の川井公文課長は「借金問題を解決して終わりではなく、他部局との連携を密にし、相談者がしっかりと生活できるようにフォローしていきたい」とする。

 くらし安心課は市役所本庁舎1階。相談時間は平日午前8時45分~午後5時半。問い合わせは同課(☎0138・21・3160)へ。(蝦名達也)


◎青函パ酒ポート発売で地酒フェア

 道内と青森県内の酒造所をめぐるスタンプラリー帳「青函パ酒(しゅ)ポート」の発売を記念した「青森・南北海道地酒フェア」が17日、函館市梁川町のテーオーデパート催事場で開かれた。主に道南の酒造所や、青森県内各地から集めた日本酒やワイン、地ビールが並び、来店者を楽しませた。

 「パ酒ポート」は、大手旅行会社のJTB北海道の企画で、北海道新幹線開業を記念し、北海道銀行(札幌)とみちのく銀行(青森)の協力を得て、初めて青森側に拡大。酒造所は道内は主に後志以南の10カ所、青森は17カ所が参加。酒造所ごとに特典があるほか、スタンプを集めた個数で抽選に参加できる。

 冊子は16日から大手書店やイエローグローブ各店などで販売を開始(1部500円)。同日には青森市内で酒場ライターの吉田類さんを招いたトークショーが開かれ、約200人が来場。テーオーデパートでのフェアには日本酒だけではなく、シードル(リンゴ酒)、ビール、ワイン、ウイスキーなどが並び、多くの人が足を止めて冊子や地酒を買い求めていた。

 JTB北海道の札幌法人事業部営業5課の森美恵子さんは「お酒をきっかけにして青森と道内の観光を楽しんでほしい」と話す。青森県酒造組合としてPRに参加した、八戸市の老舗蔵元八戸酒類の橋本八右衛門社長は「これまで北海道側でPRする機会はあまり多くはなかった。青森には味のある飲みやすいお酒が多いので楽しんでほしい」と話していた。(今井正一)