2016年4月24日 (日) 掲載

◎福原さん「喜寿」祝い同級生がサプライズ

 函館中部高校定時制に73歳で入学した北斗市の福原ケイさんが22日、77歳の誕生日を迎えた。「喜寿」をお祝いしようと企画したのは、孫ほど年の離れた同級生。福原さんは思いがけないサプライズに「幸せ者だ」と満面の笑みを浮かべた。

 「飲み物配っておくよ」「花束は誰が渡すんだっけ?」。この日の授業が全て終わった午後8時ごろ、生徒たちは福原さんを驚かせようと、内緒で準備を進めた。別室で待機していた福原さんを教室で出迎えたのは、生徒や教員約25人からの温かい拍手と「ハッピーバースデートゥーユー」の歌のプレゼント。福原さんは生徒がお金を出し合って買った花束やケーキを目にし、「どうもありがとう」と何度も頭を下げた。

 福原さんは旧大野町の農家に生まれた。高校進学を目指し勉強していたが、家業の人手が足りず断念。それでも、「学びたい」という思いはずっと胸に秘めてきた。

 そして3年前、半世紀以上の時を経て夢をかなえた。現在は朝4時に起きて農作業に精を出し、夕方には自宅から10数キロ離れた学校まで自ら軽トラックを運転して登校。採れたニラや豆などを生徒や教職員におすそ分けすることもあるという。

 そんな福原さんを生徒たちも慕っている。小林力君(18)は「板書はどうしても遅くなるが、授業の後に他の人からノートを借りて写していた。勉強熱心で尊敬する」。担任の古沢和弘教諭(59)は「欠席はほとんどなく、一番の努力家。生徒の刺激になっている」とたたえる。

 今年4年生になり、高校生活は残り1年。福原さんは「勉強が大変で心が折れそうになったこともあるが、最後まで頑張りたい。1センチでも前に進みたい」と意欲を燃やしている。(稲船優香)  



◎早くも「乾杯!」 ホテルテトラ、ビアガーデン始まる

 ホテルテトラ(函館市梁川町17、三浦孝司社長)は23日、恒例の屋上ビアガーデンを開始した。初日は4組26人の予約が入り、ジンギスカン鍋を囲みながら冷えたビールを味わった。

 春の大型連休を前に毎年この時期に営業を開始。屋外席は最大250人、屋内席は60人が利用できる。同ホテルは「台湾や中国の宿泊者も増えているので、外国人客にもPRしてジンギスカン文化を広めたい」とする。

 職場の有志7人で訪れた公務員新栄克俊さん(41)らは、鍋で肉や野菜が焼けるのを待ってビールで乾杯した。新栄さんは「ジンギスカンは北海道らしい食べ物。みんなで同じものを囲んで食べるので、さらにおいしく感じます」と話していた。

 同ホテルは「創立当初から続くビアガーデンを今年もご愛顧いただきたい。夏場の週末は早めの予約を」としている。9月末まで。午後5時から営業。ジンギスカンとビールなどの食べ飲み放題(2時間)で1人4000円(税込み)。問い合わせは同ホテル(☎0138・55・1818)へ。(今井正一)



◎消費者被害防げ 「見守り支援連絡会」開設へ

 函館消費者協会(佐藤秀臣理事長、会員380人、16企業・団体)は22日に開いた本年度の通常総会で、消費者被害を未然に防止するために関係機関で情報共有を図る「函館市地域見守り消費者支援連絡会(仮称)」の立ち上げを盛り込んだ活動目標を承認した。見守り活動の担い手として、同協会が運営する函館消費者大学の卒業生を活用する考えも示され、目の行き届かなかった地域住民のトラブルに迅速に対応できる態勢づくりを進める。

 同協会は情報通信技術の発展や商品、サービスの多様化・複雑化を背景に、依然として発生している消費者被害の防止に向け、①安全安心な環境づくり②消費者の自立、育成③組織強化―を主要活動目標に掲げた。

 同連絡会は、自発的に市消費生活センターなどへ相談に訪れることができない高齢者や障害者など、配慮を必要とする人の支援を目的に開設。市民と接する機会の多い地域包括支援センターや警察など、20以上の関係機関で構成する考え。見守り活動により消費者被害で困っているといった市民情報を共有、消費者教育の推進に向けた取り組みなどについて協議する。

 併せて、消費者大学の卒業生が「消費者マイスター(仮称)」として見守り活動を実施。国内唯一、民間が運営する4年制の大学で、2012年4月に開校。昨年卒業した第一期生からは経験を生かして活動したいとの声も上がっているといい、訪問による簡易的な助言や消費生活センターへの情報の引き継ぎ、出前講座の講師などを視野に入れている。

 同大は本年度から法律に関する講座を拡充したほか、今後地域に出て活動するための知識醸成として、4年時に専門のカリキュラムの導入も検討している。

 佐藤理事長は「消費者被害は依然として多く、目の行き届いていなかった人たちからも、被害を未然に防げる地域づくりを進めたい」と話している。(蝦名達也)


◎元大門の魅力ぎゅっと 26日「かわら版」2号発行

 函館・大門地区の歴史や現状を紹介する地域情報紙「大門かわら版」が今年創刊し、26日に2号が発行される。大型連休期間中のイベントや新規店舗の情報を網羅している。

 松風町8でコーヒー&バー「ジャズスポットリーフ」を営む水山一嗣さん(51)が編集長を務め、編集室を店内の一角に置く。スタッフと2人でパソコンを駆使して編集作業にいそしむほか、広告集めや設置協力店への配達などに奔走している。

 同紙は、北海道新幹線開業日の3月26日に創刊し、毎月26日発行。大門の歴史や付近の駐車場情報、新たに開店した店の話題を中心に構成しており、2号はこれらに加えて大型連休時期のイベント情報などを充実させた。建設中の再開発ビル「キラリス函館」の様子を追いかけるほか、大門に関するクイズや求人情報、過去の面白いエピソードなどの募集にも力を入れ、読者層やニーズの把握に努めていくという。

 函館生まれで、青春時代を大門で過ごしたという水山さん。「商店主やお客さまの出会いと対話の楽しさこそ商店の良さ。紙の上で、そうした良さを実現していく」と話している。

 A4判、モノクロ4ページ。1万部を作製し、棒二森屋のほか、函館駅前や本町の一部商店で配布。設置協力店は随時募集中。問い合わせはリーフ(☎0138・27・4122)へ。(半澤孝平)