2016年4月25日 (月) 掲載

◎函館のサクラ開花

 函館地方気象台は24日、函館のサクラ(ソメイヨシノ)の開花を発表した。平年より6日、観測史上2番目に早かった昨年より3日遅かった。

 函館では4月に入り気温が上昇し、日本気象協会の開花予想日は23日となっていたが、雨で一日足踏みとなった。24日は午前9時に10度を超える暖かさで、同気象台職員が同10時ごろ、五稜郭公園にある標本木で数輪以上の花が開いたことを確認した。道内では22日に松前(松前公園)で咲いていて、函館は2番目の開花となった。

 五稜郭公園では、すでに5分咲きの木もあり、春本格化を待ちわびた市民や観光客は歓声を上げて見入っていた。市内西桔梗町の主婦、林照美さん(53)は「ゴールデンウイークに見頃が重なるのは、何度も来られるのでうれしい。北海道新幹線の開業もあり、今年の五稜郭公園は全国で最も人気の花見スポットと聞いている。大勢の人が来てくれるのが楽しみ」と話していた。

 同協会の予想する満開日は27日。大型連休前半が見ごろとなりそうだ。(山崎純一)



◎闘病漫画 全国で発売

 運動神経に障害が出る難病「ギラン・バレー症候群」と闘病しながら漫画家として活動する函館市在住の田村紋子(あやこ)さん(36)のエッセー漫画「ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!」(講談社)の単行本が22日、全国発売された。自身の10年以上続いた闘病生活をコミカルに描き、同社発行の週刊漫画雑誌「モーニング」に連載されたのを単行本とした。

 田村さんは准看護師として働いていた2002年10月に発病。運動神経の障害で手足が動かなくなり、さらに吐き気や腹痛などを併発し、約2年間寝たきり状態のままで入院生活を余儀なくされた。退院後も腹痛などの症状は治まらず自宅で療養する日々。発病から5年目ごろから症状が少しずつ落ち着き、もともと好きだった絵やイラストを描き始めた。最初は手足は自由に動かず指先で描いていたが、徐々に筆記用具を使って描けるまでになった。

 11年ごろから漫画にも挑戦し、友人から「漫画で闘病記描いてみたら」と勧められたのをきっかけに「ふんばれ―」の原形となる作品を執筆。12年に応募した漫画コンテストで2位となり、13年に別の作品で雑誌デビューを果たした。

 14年にはモーニングの漫画新人賞に「ふんばれ―」で応募し、編集部長賞を受賞。同社から連載を持ちかけられ受賞作を長編化、15年7月から今年2月までのモーニング本誌とウェブコミックで計17回掲載された。

 田村さんは「読者を重たい気分にさせず、軽く読んでもらえるように苦心しました。編集担当者のアドバイスを受けながら描きました」と振り返る。

 抜き差しならぬ重篤な症状が続いた闘病生活だったが、当時の心境や痛みなどをユーモラスに描いている。

 田村さんに寄り添い続けた母・久子さん(64)は「寝たきりになったときは、このままにさせない、あきらめさせないという思いで支えた」と振り返る。

 田村さんは現在、手足の感覚はないままだが、快方へと向かっており「いろいろなテーマの漫画を描きたい。応援してくれた人たちに恩返しする作品を残していきたい」と、今後の創作に意欲を新たにしている。

 160ページ。616円。主要書店で販売している。(鈴木 潤)



◎パトロール効果で不法投棄半減

 函館市内で2015年度、ごみの不法投棄が前年度比377件減の469件確認されたことが分かった。処理担当の見直しにより、街中での軽微なごみが不法投棄の件数に反映されなくなったが、巡回員による専門パトロールなどの効果もあり、市環境部は「件数は確実に減っている」とする。市は一般市民の不法投棄に対する認識をあらためようと、ルール違反のごみ捨て禁止を呼び掛ける看板を新たに作製し、市内各所に設置する予定だ。

 発見はパトロールによるものが413件で、通報が56件。住宅街から離れた山間部に投棄されたケースが多く、雪解け後の春や、草木が枯れてごみが見つかりやすくなる秋の発見が目立った。また、街中と山間部とで処理担当の見直しを図り、通報を受けた後、迅速に現場に駆け付けるなど円滑な対応を行えるようになった。

 投棄量は120立方メートルで、大型のごみ収集車15台分ほどに上る。前年度からおおよそ半減したが、市清掃事業課は「一度に大量に捨てるケースが減ったためでは」とみる。

 内訳は家具などの生活品が前年度比207個減の235個、袋に入った雑ごみが同比768個減の666個、適正処理困難物が同比404個減の585個だった。

 適正処理困難物のうち、タイヤが411本と大半を占めた。家電製品ではテレビが最も多く、ブラウン管型が98台、液晶型が11台。次いで冷蔵庫が20台で、電子レンジ17台、洗濯機とパソコンが14台ずつ捨てられていた。

 件数、投棄量の大幅な減少がみられ、ごみの処理費用は約60万円と、前年度より40万円ほど圧縮できた。市が実施している不法投棄の対策として、土・日曜日、祝日を含む毎日のパトロールや、人通りの少ない場所などにローテーションで監視カメラを設置している。同課は「ごみを放置し続けると、どんどん捨てられる。パトロールの経路を勘案しながら今後も早期発見に努める」とする。

 民有地に捨てられた場合は土地所有者とすぐに連絡を取り、柵や看板の設置など自己防衛に関する助言を行っている。加えて、投棄の多発箇所に設置する看板は内容を変えて作製。自動車のヘッドライトで文字が反射し「ごみを捨てないで!軽い気持ちで捨てても犯罪行為です!」の文言と罰則を明記した。これまでは「不法投棄禁止」などの文言だったが「不法投棄は産業廃棄物を大量に捨て去ることだけ、というイメージを持つ人がいるかもしれない」とし「ルールに従わずに捨てることが不法投棄だと意識してもらうためにも、看板を活用するなど、抑止力を強めていきたい」(同課)としている。(蝦名達也)


◎大沼公園の橋5基補修終了

 【七飯】七飯大沼国際観光コンベンション協会(小泉真会長)は24日、大沼国定公園内の小島を結ぶ橋5基の補修工事完成を記念し、同公園で橋渡式を開いた。テープカットや三世代の家族による渡り初めなどを行い、橋の開通を盛大に祝った。

 補修したのは湖月橋(長さ26メートル)、金波(●きんば)橋(34・4メートル)、袴腰(●はかまごし)橋(11・7メートル)、日の出橋(8・4メートル)、浮島橋(15メートル)。北海道新幹線開業を契機として道が国の補助金を活用し、1億3300万円を投じて昨年11月から工事を進めていた。 

 湖月橋付近で行われた式典で、小泉会長は「この日を迎えられて大変うれしい。行政と一致協力し、国内外の観光客に喜んでもらえるようなおもてなしをしたい」とあいさつ。中宮安一町長や冨原亮道議らによるテープカットに続き、同協会理事の林賢三さん夫婦と祖父の川村剛さん(76)、長男の蓮太郎君(13)、次男の颯太郎君(10)が先頭に立って渡り初めを行った。

 このほか式典に先立ち、同公園の安全祈願祭が大沼駒ケ岳神社で行われた。(山田大輔)