2016年4月26日 (火) 掲載

◎新幹線開業1カ月 効果実感これから

 26日で北海道新幹線開業から1カ月を迎えた。新函館北斗駅の商業施設や1月にオープンした道の駅「みそぎの郷きこない」には、旅行客や地元住民が多数訪れにぎわいを見せている一方で、函館市内の飲食、宿泊施設の関係者はまだ開業効果を実感できないとする声が多く、大型連休以降の需要増に期待を寄せている。

 土日を中心に地域の家族連れらでにぎわう新函館北斗駅。新幹線車両が気軽に見学でき、飲食や買い物も楽しめることから人気のスポットとなりつつある。

 同駅併設の北斗市観光交流センター内のアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」の渡辺正憲店長は「地域の方々にも多く来店してもらい、1カ月間の売り上げは想定の2倍以上。季節に応じて商品を入れ替え、リピーターを増やせるよう工夫したい」と意気込む。

 みそぎの郷きこないは、オープンから約3カ月で来場者11万人を突破。町の年間観光客数7万人を優に超すほど、新たな観光スポットとして滑り出しは好調だ。

 同施設の一日平均来場者数をみると、1~3月は974人、4月1~24日は1428人と、新幹線開業後はより多くの集客が図れていることがわかる。浅利文博センター長は「口コミによるリピーターが増えた。道内のみならず、東北や関東からの旅行客も目立つ」と手応えを示している。

 ただ、開業1カ月間の道南は観光閑散期ということもあり、大幅な観光客の入り込みにはつながっていない。函館市松風町の屋台村、大門横丁は開業日に恒例の飲み歩きイベント「大門バル」を開催。当日は大勢の人でにぎわったが、ある店の店主は「4月に入ると例年通りの数字。新幹線で観光に訪れたという人も思っていたより少ない」とこぼす。

 大型連休期間は例年、函館市内の主要ホテルは満室となることから、宿泊施設の関係者は5月以降の予約状況を注視している。ホテルネッツ函館(本町)の三上博支配人は「宿泊単価の上昇で売り上げは20%伸びているが、宿泊客の増加数はまだ期待以下。ただ、連休後の団体予約数は例年以上で、明るい材料も見えてきている」としている。(山田大輔、斎藤彩伽、金子真人)



◎鮮やか花時計 26日再開へ

 函館アリーナ(湯川町1、小越康雄館長)南側(道道函館南茅部線側)前で25日、花時計にパンジーを植え付ける作業が行われた。時計の運転は2年半ぶりで、26日からの予定。

 花時計は函館市民会館と旧市民体育館の間に1970年に作られたが、アリーナ建設工事のため2013年10月15日をもって運転を終了し、保存されていた。アリーナは昨年夏に完成し、花時計は現在地に移動したが、花や植え付ける土の準備が間に合わず、この春から再開となった。

 作業は市内の総合造園業・田中潦風園の5人が行った。花壇は以前と同じ円形で直径6・3メートル。パンジーは7色を使用。中央には白色の中に青色の花が円を描くように配し、アリーナのシンボルマークを表現。円の縁は24等分したスペースに黄、赤、紫などを分けて植え、時間の目安がつくようにしている。パンジーは6月までで、夏は花を入れ替え、冬に時計の針を外し、ハボタンを植える予定。

 小越館長は「昨年はご迷惑をかけたが、今年は大型連休に間に合った。利用者ばかりでなく、市電の車内からも見ることができるので、楽しんでほしい」と話している。

 このほか、アリーナ北側のともえ広場には、こいのぼりが5月5日まで掲げられる。(山崎純一)



◎高田屋嘉兵衛の功績後世に 顕彰会発足、6年ぶり事業

 函館発展の基盤を築いた江戸後期の豪商高田屋嘉兵衛(1769~1827年)の偉業を顕彰する「箱館高田屋嘉兵衛顕彰会」の設立総会が25日、函館商工会議所で開かれ、今年8月1日に顕彰・追悼式典を開催するなどの事業計画を決めた。

 函館では、1976年から顕彰事業として夏に「箱館高田屋嘉兵衛まつり」を開催してきたが、2010年を最後に休止。昨年、函館商工会議所創立120周年記念事業の一環で同氏の顕彰事業を行ったことから顕彰会設立の機運が高まり、総会開催に至った。

 冒頭、発起人を代表して函館商工会議所の松本栄一会頭があいさつし「嘉兵衛翁なくしては現在の函館はあり得ない。函館の恩人の顕彰事業を再開できることは地域にとって大きなお喜びだ」と述べた。

 会長に十字街商盛会の松田俊司理事長を選任したほか、顧問に工藤寿樹函館市長、松本会頭、函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長を選んだ。松田会長は「微力ながら精いっぱい務めていく。小学校高学年を対象に嘉兵衛翁の功績を記した副読本を配布し、函館の未来を担う人材育成の一助に努めたい」と決意を述べた。

 顕彰・追悼式は8月1日、宝来町の高田屋嘉兵衛像前で開催予定とし、献花や舞踊奉納を行うとした。翌2日午後4時半には、嘉兵衛の出身地である兵庫県洲本市の関係者らと港まつりのメーン行事「ワッショイはこだて」の十字街・松風コースにパレード参加する予定などを確認した。

 高田屋嘉兵衛は、1796(寛政9)年、当時国内最大級の1500石積みの船辰悦丸(●しんえつまる)に乗り、箱館を拠点に活動。国後島・択捉島間の航路開拓や、摂津池田(現・大阪府池田市)のマツやスギの苗を運び、函館山で最初の植林を行った。1806(文化3)年の函館大火では私財を投げうって物資を提供、井戸を掘削してポンプを寄贈するなどした。1811(同8)年、ゴローニン事件に巻き込まれてカムチャツカに連行されるが、日露交渉に尽力し事件を解決へ導いた。(半澤孝平)


◎鮮やか花時計 26日再開へ

 函館アリーナ(湯川町1、小越康雄館長)南側(道道函館南茅部線側)前で25日、花時計にパンジーを植え付ける作業が行われた。時計の運転は2年半ぶりで、26日からの予定。

 花時計は函館市民会館と旧市民体育館の間に1970年に作られたが、アリーナ建設工事のため2013年10月15日をもって運転を終了し、保存されていた。アリーナは昨年夏に完成し、花時計は現在地に移動したが、花や植え付ける土の準備が間に合わず、この春から再開となった。

 作業は市内の総合造園業・田中潦風園の5人が行った。花壇は以前と同じ円形で直径6・3メートル。パンジーは7色を使用。中央には白色の中に青色の花が円を描くように配し、アリーナのシンボルマークを表現。円の縁は24等分したスペースに黄、赤、紫などを分けて植え、時間の目安がつくようにしている。パンジーは6月までで、夏は花を入れ替え、冬に時計の針を外し、ハボタンを植える予定。

 小越館長は「昨年はご迷惑をかけたが、今年は大型連休に間に合った。利用者ばかりでなく、市電の車内からも見ることができるので、楽しんでほしい」と話している。

 このほか、アリーナ北側のともえ広場には、こいのぼりが5月5日まで掲げられる。(山崎純一)