2016年4月27日 (水) 掲載

◎新装ホテル GW満室

 3月26日の北海道新幹線開業から初めて迎える大型連休を前に、函館市内では湯の川温泉を中心に、改装中の宿泊施設が続々と新装開業している。いずれのホテルも連休期間中はほぼ満室となっており、好調な滑り出しを見せている。

 道内でホテルや飲食事業を展開するノースグループ(札幌)は、買収した丸仙旅館をリニューアルし、30日に「笑(えみ)函館屋」(湯川町3)をオープンする。既存施設の改装と増築を行い、ツインルームを主体とした26室を用意。開放的なロビーでは無料でワインやソフトクリームなどを提供する。  4月上旬の受け付け開始後予約が順調に入り、連休中はほぼ全ての部屋が埋まったという。鈴村保司社長は「小さいホテルではあるが調度品などにこだわった。リピーターの獲得を目指したい」と話す。

 道内ホテル大手の野口観光(登別)は25日に「HAKODATE海峡(うみ)の風」(湯川町1)を開業した。12億円を投じて「湯元啄木亭」の東館をリニューアル、部屋数を100室から56室に絞り、露天風呂付きや広めの和洋室など、準高級タイプの客室に切り替えた。同社は「タイプの違う3つのホテルが函館にそろった。おもてなしを充実させたい」とする。

 伊東園ホテルズ(東京)は26日、湯の川観光ホテル祥苑(湯川町2)の新館の営業を始めた。男子社員寮を客室に転換した17室を含む合計221室は、連休期間中満室だという。

 一方、地元資本では、函館元町ホテル(大町、遠藤浩司社長)が買収したホテル函館山(元町19)が26日から営業を再開。国内外の宿泊需要取り込みを狙う。

 ホテルテトラ(梁川町、三浦孝司社長)が運営する函館パークホテル(新川町29)の新たな宿泊棟(30室)も同日に開業。同ホテルの担当者は「中国や台湾を中心に海外からの予約も順調に伸びている」としている。(山田大輔)



◎おいしい朝食 函館2ホテルランクイン

 旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(東京)は25日、「行ってよかった!朝食のおいしいホテルランキング2016」を発表し、函館の2ホテルがトップ10にランクインした。ラビスタ函館ベイ(豊川町)が4年連続で2位、函館国際ホテル(大手町)が昨年から順位を1つ上げて4位となった。

 ランキングは、2015年1~12月に同社サイトに投稿された口コミのうち、「朝食」に関連した発言を内容に応じて点数化。2010年から毎年実施しており、「当社のランキングの中でも非常に注目度が高い」(広報担当者)という。

 ラビスタ函館ベイは過去に1位を2回獲得しており、2位は4度目。イクラやイカなどの魚介類を好きなだけのせて作る名物の「勝手丼」が人気で、「函館朝市にいるような新鮮で豊富な海の幸を堪能できる」と評価された。

 函館国際ホテルは14、15年の5位からランクアップ。イクラを中心とした食べ放題の新鮮な魚介ほか、コックが客の目の前で焼き上げるステーキ、出来たてのオムレツも好評価で、「和食と洋食を両方満喫したい人にお薦め」とされた。

 ラビスタ函館ベイの吉村聖司料飲宿泊支配人は「お客さまに口コミで評価をいただけたことはうれしい。ホスピタリティに磨きをかけ、さらに満足していただけるサービスを提供していきたい」。函館国際ホテルの佐藤則幸総務部長は「このランキングの反響はとても大きく、朝食で選んでいただけるお客さまも多い。これからも期待に応えられるよう力を入れていきたい」と話している。(金子真人)



◎函館ハーフマラソン、福士加代子選手が出場

 6月26日に開かれる「2016函館マラソン」(実行委など主催)のハーフマラソンの部に、リオデジャネイロ五輪女子マラソン日本代表の福士加代子選手(34、ワコール)が出場することが決まった。福士選手をはじめとした招待選手は計19人、実業団選手なども加えた「エリートランナー」は、過去最多の150人を超す見込みで、北海道新幹線開業記念の同大会を大いに盛り上げる。

 福士選手は青森県五所川原工業高校卒。3000メートル、5000メートルの日本記録をはじめ、ハーフでは1時間7分26秒の日本・アジア記録を持つ。1月に大阪国際女子マラソンで自身2度目の優勝を果たし、五輪代表に選出された。

 函館の大会は初出場。2011年4月の北斗市運動公園陸上競技場のオープン記念で道南に訪れる予定だったが、東日本大震災の影響で実現できなかった。

 一般受け付け開始後すぐの3月17日に、出場を働きかけた道南陸上競技協会の岡部寿一理事長に対し、福士選手を指導する永山忠幸監督から「大会記録に挑戦させる」と快諾の返事があったという。福士選手の5年越しの登場に、岡部理事長は「地元の学生たちに世界的な選手の快走を目の当たりにしてもらい、陸上、長距離の素晴らしさを感じ取ってほしい」と願いを込める。

 招待選手の男子は、昨年大会優勝のギザエ・マイケル選手(スズキ浜松AC)など7実業団から8人、東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)出場選手が4人。「公務員ランナー」と称される川内優輝選手(埼玉県庁)も名を連ねる。女子は昨年優勝の加藤麻美選手(パナソニック)ら、6団体から6人がエントリーしている。

 エリートランナーの出走は昨年の50人から3倍に上り、岡部理事長は「地方大会でこれだけの人数が走るのは珍しい。どの選手も素晴らしいタイムの保持者で、ハイレベルな大会になるとともに、函館の活性化につながるだろう」と話している。(蝦名達也)


◎1日平均5600人利用

 JR北海道は26日、北海道新幹線(新函館北斗―新青森間)の開業1カ月間(3月26日~4月25日)の利用実績を発表した。1日あたりの平均乗車人員は約5600人で、乗車率は27%。輸送人員は、前年同期の在来線実績と比べて2倍に増加した。 

 上下線の1日平均の乗車人員はともに2800人。前年同期に運行していた特急の輸送実績と比較し、上りが2・02倍、下りが1・96倍に増加した。座席別の乗車率は、最上級車両のグランクラスが34%、グリーン車が28%、普通車が26%となっている。

 同社は「想定通り順調に推移している」とし、今後は函館、札幌発の東北向け旅行商品などを発売して、新幹線の需要増につなげたい考えだ。

 大型連休期間(28日~5月8日)の予約率は14日時点で28・8%。新函館北斗駅に到着する下り列車は29日~5月1日、東京方面に向かう上りは同5日を中心に、複数の列車が満席となっている。(山田大輔)