2016年4月28日 (木) 掲載

◎多彩なパンジーで観光客歓迎

 函館市の「函館駅前花いっぱい事業」を担う桔梗造園(石川町、山本久明社長)は函館駅前広場の花壇造成作業を進めている。27日には、NPO法人「スプリングボードユニティ21」(折谷久美子理事長)のボランティアも参加。6月中旬までは約1万4000株の色とりどりのパンジーを主体とした花壇となり、函館を訪れる観光客を出迎える。

 本年度から3年間、同社と同NPOの事業体が受託。春の大型連休に合わせて造成を進めている。函館駅前の駐車場周辺に6カ所計898平方メートルの花壇がある。

 本年度は、花壇内に車いすで通行可能な幅の通路やベンチの設置、立体的に見えるよう起伏を設けるなど工夫を凝らした。5月中旬には四季咲きのバラを植え込んだアーチを設置する。

 春の花壇の主体となるパンジーは赤やオレンジ、ピンクなど7色、計1万4240株を用意。全体が波のイメージで並ぶよう配置し、1平方メートル当たり25株を植え込んでいる。同社取締役の山本かおるさんは「耐寒性もあって家庭でも育てやすい花。5月末ごろには地面が隠れるくらいボリュームが出てくるので、成長していく様子も見てほしい」と話す。

 ボランティア10人が参加し、花植え作業を実施した折谷理事長は「大型連休を前にサクラも満開になった。〝花のまち函館〟として喜んでもらえるよう心を込めて活動している」と話していた。

 花壇は「はこだて花と緑のフェスティバル」(6月11、12日)後に夏花に入れ替える作業を行う。(今井正一)



◎道南産品 増える商談会・催事 大手もローカルも食品スーパー注目

 北海道新幹線開業によって、函館をはじめ道南の食品に注目が集まっている。開業前後の開催は一段落ついたが、青森産品と組み合わせた催事も多く、今後は夏、秋に向けた商談機会が本格化する。今月中旬には国内中堅スーパーの協業組織「CGCグループ」の大商談会が都内で開かれ、青函両地域の商品を集めた特設コーナーが注目を集めた。

 市経済部商業振興課によると、昨年度、函館・道南産の商品を集めた大手スーパーによる催事は13開催、1547店舗。市と包括連携協定を結ぶイオングループやイトーヨーカドーなどの大手で、全国や主要エリアの店舗網で好評を得た。さらにチェーンの店舗数自体は小規模だが、各地域に根付いたスーパーでも新幹線開業に合わせて2、3月に催事が集中。東北や関東、四国、九州まで20のローカルスーパーで437店舗を数えた。

 今月19、20の両日に、CGCグループが東京ビッグサイトで開いた大商談会では函館、青森の特集コーナーが設けられた。CGCは道内ではアークスグループなど全国約220社、約3900店が加盟する一大組織で、2日間で1万2000人のバイヤーらが来場。卸業者を通じて、函館からは水産加工品や飲料、ラーメンなど約90品目が集められた。市もミスはこだてを参加させるなどPRに協力した。

 一方、市内では27日、マックスバリュ北海道が6月に全道77店で3日間の開催を予定する「函館・道南フェア」に向けた商談会が函館朝市ひろばで開かれ、道南の約30社が商談に参加。今回は道南いさりび鉄道の応援を兼ねて、沿線の木古内、北斗、函館の商品を集めたコーナーも企画するという。  同社商品本部渡島エリアマネジャーの森昭文さんは「新幹線開業で生まれた新商品に注目している。『地元イコール安全・安心』の意識が強く、地域の商品は喜ばれる。フェアで扱った商品が常設品になるケースもある」と話していた。

 同課は、大手、ローカル問わず、地場企業にとって催事への出品が継続取り引きにつながるチャンスだとし「新幹線開業で新たな動きが生まれた。必ずしもすべての企業に大手の需要に応えられる生産体制があるわけではないため、ローカルスーパーとの取り引きの道筋もつけていきたい」としている。(今井正一)



◎婚活サービス提供「IBJ」、市内にシステム開発拠点

 函館市は27日、婚活や結婚にかかわる総合サービス提供の「IBJ」(東京都新宿区、石坂茂社長)が、市内若松町にシステム開発拠点を開設すると発表した。6月1日に事業を開始し、3年間で地元採用を含む10人の雇用増を予定する。

 同社は2000年、国内初の結婚情報サイト「ブライダルネット」を運営する企業として始まり、06年に現社名で独立。婚活サイトの運営やパーティーの企画、結婚相談事業などを総合的に手掛け、昨年、東証1部に市場替えした。

 本社の開発拠点とは別に、新たに函館で婚活サイトの情報システム開発やウェブサイトの構築、運用を手掛ける。本社から配属となる社員を含め、6月末までに3人程度で業務を開始する予定。

 また、日本発祥のプログラミング言語「Ruby(ルビー)」での開発を担う人材を求めている。同社は「新しい言語での開発に取り組むことで、優秀な技術者の確保にもつなげたい」とし、Uターン希望者の採用や公立はこだて未来大との連携も視野に事業を進める考え。

 市経済部工業振興課によると、14年以降、IT関連企業の進出は4社目。今年2月に市内に開発拠点を開設したIT企業「クレアンスメアード」(東京都青梅市、菊池一夫社長)がIBJとの橋渡し役となったという。同課は「企業同士のつながりが函館進出時の安心感にもなるのではないか。いい流れが生まれている」としている。(今井正一)


◎各施設に観光案内所設置 「五稜郭おもてなし隊」復活

 函館市は29日からの春の大型連休に合わせて、市内に観光案内所を設置する。北海道新幹線開業に合わせた取り組みの継続で、JR函館駅、五稜郭タワー、金森赤レンガ倉庫に設置。五稜郭公園では箱館五稜郭祭実行委員会による「五稜郭おもてなし隊」が観光客を出迎える。

 観光案内所は29日以降、5月8日まで毎日開設(金森赤レンガ倉庫は2、6日を除く)。新幹線開業後、函館駅ではボランティアスタッフが毎日活動しているが、観光客から交通機関案内や駅周辺の見どころを聞かれるケースが多いという。今月24日まで土、日曜日に活動した、ペリーや土方歳三らの衣装を身にまとった「幕末衣装隊」も好評だった。

 29日からは五稜郭公園に「おもてなし隊」が登場。新幹線開業記念のおもてなしと箱館五稜郭祭当日(5月21、22日)のPRを兼ねた活動で、築造150年祭が行われた2014年以来となる。

 活動日は5月8日までの毎日と、五稜郭祭当日を除く5月の土、日曜日の午前9時半~午後3時半。箱館戦争をイメージした幕末衣装に身を包んだボランティアと観光ボランティアガイド「一會の会」のメンバーらが箱館奉行所前などで、観光客との記念撮影や五稜郭の歴史解説に応じる。

 市観光部観光推進課は「新幹線開業後、市内の観光地は例年の同時期と比べて人出が多くなっている。お出迎えの態勢を整えて連休を迎えたい」としている。(今井正一)