2016年4月8日 (金) 掲載

◎函館開催のコンベンション大幅増

 函館国際観光コンベンション協会は、本年度に市内で開かれる会議や各種大会などの予定をまとめた。前年度当初比で15件増の88件で、参加予定人数は同2万4877人増の5万5267人。区分別では全国規模の大会が同13件増の39件になった。函館アリーナの利用も順調で、北海道新幹線開業による話題性が開催増につながったとみられる。

 同協会が約670件の市内団体から調査し、3月31日現在の予定としてまとめた。国際大会は6件1870人、全国大会39件3万2725人、全道大会43件2万672人となった。同協会は「増加は、函館アリーナの完成と新幹線開業効果につきる。大会誘致にも手応えを感じている」とする。

 参加人数の多い大会としては、日本青年会議所北海道地区協議会の「第65回北海道地区大会函館大会」は、3000人規模の参加で9月2~4日に開催。函館アリーナや市民会館を一体的に使用する。同月25日には、函館では2006年以来の開催となる大手旅行会社JTBが主催する芸能イベント「杜の賑わい」はアリーナで5000人規模の集客を見込む。  このほかにも、全国から食品バイヤーを招請する大規模商談会「函館・みなみ北海道特産食品展示商談会」(6月、1600人)、「全国都市監査委員会総会・研修会」(8月、1470人)、積雪寒冷地の活性化や課題解決に向けた研究発表が行われる「2017ふゆトピア・フェア」(1月、3000人)などが予定される。

 スポーツでは、初のフルマラソン大会となる「2016函館マラソン」(6月、8000人)をはじめ、「第7回ヴィンテージ8’sバレーボール交流会」(9月、900人)、「全日本卓球選手権大会・マスターズの部」(10月、1700人)などが開かれる。

 このほか、集計対象外とした市内対象のイベントや大会では、小田和正さんの全国ツアー(5月)、5年ぶりとなるサッカーJ2・北海道コンサドーレ札幌の公式戦(7月)、函館港まつり開催時の東京ディズニーシー15周年記念スペシャルパレード(8月)、大相撲函館場所(同)、全日本パンフェスティバルin函館(11月)など、話題性がある催しが多数予定されている。

 同協会は「各大会の運営をサポートして、開催実績を積み、次年度以降のコンベンション推進に努めていく」とし、市観光部コンベンション推進課は「函館は観光地としても魅力がある。各大会の評価を別の大会誘致につなげて好循環を生み出したい」としている。(今井正一)



◎「不親切」函館ガイド本出版

 函館市弁天町の出版社「新函館ライブラリ」社長の大西剛さん(56)がこのほど、「来たくなったら自分で探そう 超不親切 移住者による函館ガイド」を出版した。あえて載せる情報を減らした「案内しない町案内」と銘打ち、旅に出たくなるようなガイドに仕上げている。

 大西さんは大阪府岸和田市生まれ。旅で訪れた函館の風景に魅せられ、住んでいた京都から2009年に移住し、新函館ライブラリを立ち上げた。これまでも函館の歴史に注目した写真集などを出版している。

 ガイドには、観光名所はほとんど登場しない。「本を見て、実際に歩いて探してほしいと思うスポット」を中心に、「レトロ建築とそばの町」「幻ホテル」など11テーマを厳選。大西さんが移住前から撮りためた170点の写真とともに、移住者の目線で函館の魅力や地元住民との他愛ない会話で感じたことなどを記している。

 「超不親切」とうたうのは、ガイドブックに必須の地図や店舗連絡先がないから。気になった場所は本を頼りに読者が探す。大西さんは「最近のガイドブックは情報が多すぎる。例えば建築物なら『なぜここにあるのだろう』などと歴史的背景を考えるのが面白いのに、ガイドブックには詳しく載っている」と指摘。「地元の人の息遣いを含め、その土地のありのままを知るのが旅の醍醐味(●だいごみ)」と話している。

 A5判フルカラー80ページ。税込み1000円。書店や函館市地域交流まちづくりセンター、インターネット通販サイトAmazonなどで購入できる。電子書籍はコンテン堂(http://contendo.jp/)で601円。問い合わせは新函館ライブラリ(☎0138・84・1620)へ。(稲船優香)



◎函館アリーナ前電停延長

 函館市企業局交通部は、市電の函館アリーナ前電停の安全地帯を15メートル拡張し、延長を各30メートルとした。大型イベント開催時など、利用者が並びきれない状況が発生していたため、安全確保につなげる。

 同部施設課によると、アリーナでのイベント開催時に、同電停では安全地帯に並びきれない利用者が車道にはみ出して電車を待つ状況があった。混雑時には職員が現場で誘導に当たるなど対応したが、スムーズな乗降ができず、遅延発生にもつながっていたという。

 延長工事は3月に実施。幅員は1メートルで変わらず、湯の川温泉電停方向に15メートル伸ばした。函館駅前や五稜郭公園前電停と同じ長さで、臨時便を運行した場合などに車両2台が同時に停車でき、車両1台分の定員程度の利用者は並ぶことが可能になった。事業費は485万円。

 同課は「アリーナ前電停付近では無理な横断で車にはねられる事故も発生している。電停利用時には必ず最寄りの横断歩道を渡ることや、軌道内を歩かないなど交通ルールを守ってもらいたい」としている。(今井正一)


◎開業初日はツイート17万件

 大手広告代理店の電通(東京)は、3月26日に開業した北海道新幹線に関するツイッターの投稿を解析したビッグデータを公表した。開業当日の総ツイート数は17万2259件で、前年の北陸新幹線開業(13万1338件)を上回った。  ツイートの解析は、同社とNTTデータ(東京)が共同で行った。

 初日は午前0時から切れ目なく投稿があり、一番列車が走り出す午前6時を境に増加。午前6時32分の東京発新函館北斗行きの出発時刻には357件、その3分後の新函館北斗発一番列車出発に合わせて383件の投稿があり、「開業おめでとうございます」「感動して泣けた」「ついにそんな日がやってきたか」など、歓迎する内容で埋め尽くされた。最もツイート数が多かったのは新函館北斗発車1分後の同6時36分で、463件だった。

 同社はまた、昨年9月1日から今年3月10日までの北海道新幹線に関するツイート約38万件を解析。都道府県別のユーザーをみると、東京都が8365人と圧倒的で、北海道は5606人で続いた。観光に関するツイートが、ビジネスに関する内容の4倍と圧倒的に多く、ユーザーが北海道観光を楽しみにしていることがうかがえる。

 時系列での話題量では、昨年9月16日の開業日発表で約1万4000件、10月13日の料金発表時に約1万5000件のツイートを記録。2月26日の開業1カ月前も1万6000件近くに達した。また、鉄道ファンの関心を最も集めた話題が、全国の普通・快速列車を自由に乗り降りできる「青春18きっぷ」の北海道新幹線オプション券発売だったことも分かった。

 同社は「『早く開通しないかな』など待ち望んでいたツイートが多く、コメントも熱狂的な内容が多かった」としている。(千葉卓陽)