2016年4月9日 (土) 掲載

◎西部地区、ベイエリア 無料Wi-Fi開始

 函館市が整備を進めている無料Wi-Fi「HAKODATE FREE Wi-Fi」(ハコダテ・フリー・ワイファイ)のサービス提供が4月から始まった。アクセス(接続)ポイントを、西部地区とベイエリア地区周辺に整備。簡単な認証登録後にスマートフォンなどでインターネット接続が可能となる。市は、まちあるき観光中の利便性向上やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使った函館情報の発信を期待している。

 昨年度から進める整備事業で、「ワイヤ・アンド・ワイヤレス」(東京、大塚浩司社長)を代表法人とするグループが受託した。

 利用可能エリアは西部地区が二十間坂、八幡坂、基坂沿いなど、ベイエリア地区が金森赤レンガ倉庫群周辺など。公共施設や民間企業などの協力で、35施設に計48の接続ポイントを開設。1ポイント当たり50端末の同時接続が可能で、歩行中は一部電波が途切れる場合もあるが、おおむね良好な環境で接続できる。

 市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線開業対策推進機構が、2012年から整備を進めた「Hakodate City Wi-Fi」を設置していた市地域交流まちづくりセンターや五稜郭タワーなども新環境に切り替える。

 利用には、スマートフォンやタブレット端末などの設定画面で、SSID(端末に表示されるWi-Fiの名称)「00_HAKODATE_FREE_WiーFi」を選択。ブラウザー上の認証画面では日本語、英語、中国語(繁体、簡体字)、韓国語、タイ語での表示が可能。ツイッターやGoogleなどのアカウントでログインする「SNS認証」か、メールアドレスを登録して利用を開始する。連続接続時間は3時間。

 市は日本語、英語など4言語別のリーフレットも作成し、観光施設などで配布する。本年度は駅前・大門地区、五稜郭地区、湯川地区にエリアを拡大。港町埠頭と西埠頭にも整備する。市観光部国際観光課は「観光地から直接、情報を発信してもらうことで、函館のプロモーションにもつなげたい」としている。(今井正一)



◎青函圏周遊博スタート

 【東京】北海道新幹線開業を受けた函館、青森、弘前、八戸4市の青函圏観光都市会議が取り組むキャンペーン「青函圏周遊博~ぐっとくる旅青森・弘前・八戸・函館」が8日、始まった。同日、東京都内で記者発表会が開かれ、アンバサダーの俳優石原良純さんや工藤寿樹函館市長らが青函圏の魅力をPRした。

 来年2月28日までの期間中、ガイドブックの発行や飲食店による地元食材を使ったオリジナルメニューの開発、スタンプラリーなどを展開し、近くなった青函圏の周遊促進を図る。昨年アンバサダーに就任した石原さんは、鉄道ファンの知識も生かして、圏域の多彩な魅力をPRする。

 記者発表会では、4市の市長とご当地キャラクターが、各市の春夏秋冬の魅力や祭り、グルメなどをアピールした。ミスはこだての稲村舞さんは、いか踊りを披露し「五稜郭公園のサクラは大型連休期間中が見ごろになる」と紹介し、ジャガイモバターのイカ塩辛添えなどを振る舞った。

 石原さんがモニターツアーの参加者2組に目録を贈り、周遊博のスタートを宣言した。工藤市長は「函館は夜景や異国情緒あふれる西部地区、新鮮な海産物などの魅力がたくさんある。キャンペーンを通じて函館と青森が線でつながり、新たな周遊ルートができれば」と期待を込めた。

 モニターツアーの「ファミリー旅コース」は函館、青森、弘前の3市を回るコースで、参加家族は同日夕方に函館入りし、夜景見学や西部地区の夜間散策を楽しんだ。9日は函館朝市でのイカ釣り体験後に、青森に移動し、三内丸山遺跡などを見学後、弘前市内に宿泊。一方、「女子旅コース」参加者は8日は青森市内で浅虫温泉に宿泊。函館には9日に到着し、ベイエリアや元町を散策、同日中に八戸に向かう。



◎犬猫譲渡やフリマ ワンパトに活動拠点

 動物愛護に取り組むボランティア団体「函館ワン・ニャンパトロール」(西田のり子代表)が、定期的に犬猫の譲渡会やフリーマーケットを開催する活動拠点を、市内海岸町15に設けた。10日午前11時から、同所で譲渡会を開く。西田代表は「活動の幅が広がる。譲渡会だけでなく、不幸な命を増やさないための啓発活動にも使っていきたい」と話している。

 同団体は2005年に結成。現在はメンバー、協力者ら10人で活動しており、病気やけがをしたり、保健所に持ち込まれるなどした犬猫を引き取って世話をし、譲渡会で新しい飼い主を探したり、健康に関わるケアなどを進めている。西田代表は本紙で毎月第1火曜日に「ワンニャン奮闘記」を連載し、小さな命を守るための活動を伝えている。

 譲渡会はこれまで夏場に月3~4回のペースで開いており、活動場所が主に屋外で、冬場に行えないことが悩みだった。今回、協力者の市民から空いている持ち家を無償で提供するとの申し出があり、念願の活動拠点ができた。

 2階建ての建物のうち1階部分を使用。21平方メートルのスペースには犬猫用のケージなどを置き、譲渡会のほか、活動資金に充てるフリーマーケットを開催する考え。奥の11平方メートルの部屋は、犬猫と市民とが触れ合える場にする。

 西田代表は「本当にうれしい。写真パネルの展示などにも使っていきたい」と話している。

 譲渡会とフリーマーケットは毎週日曜に開催予定で、10日は午前11時から午後3時まで。子猫を含む猫10匹、小型犬2匹の新しい飼い主を探す。問い合わせは同団体(☎090・2692・7455)へ。(千葉卓陽)


◎花見商戦花盛り

 日ごとに気温が増し、道南にもサクラ前線が着実に近づいている。五稜郭公園では、ゴールデンウイークに開花する見込みで、北海道新幹線開業も重なり、多くの人出が期待される。花見を盛り上げるジンギスカンやバーベキューの食材を並べる店舗も「おいしい料理で全国に道南の花見の魅力を伝えたい」と例年以上に“気合”を入れて準備に励んでいる。

 ○…スーパー大林(函館市富岡町1)は肉や野菜、紙皿のほか、鍋・プロパンガスなど一式がそろう「ジンギスカンセット」(1人前1200円~)を今年も用意。20人前以上の予約で五稜郭公園に配達するサービスもあり、同店の大林英樹代表(45)は「スポーツ少年団や会社など例年より早い予約状況だ」とし、「道外からの予約も目立ち、北海道新幹線開業の影響かもしれない」と期待する。

 ○…新幹線の駅がある木古内町の「久上(きゅうじょう)工藤商店」(札苅214)は、道内外に向けてエゾシカの味付けジンギスカンをPR。大型連休には、地元産のニラやニンニクを組み込んだ新商品を数量限定で販売する予定で、工藤秀範社長(59)は「道南の花見はあっという間なので、おいしい料理でいい時間を過ごしてほしい」とする。商品はインターネット販売や函館市内の大手スーパーでも取り扱っている。

 ○…函館市の中島廉売内でも花見に合わせて準備。紺地鮮魚(中島町22)は、花見時期になるとシロガイやホタテなど貝類の売れ行きが良く、紺地慶一代表(54)は「バーベキュー用で買い求める客が多く、焼き肉に合わせてイカやホッケの開きも人気」。天内青果(同23)の天内龍治代表(48)は「旬のギョウジャニンニクはジンギスカンにぴったりで、スタミナも付くのでお薦め」と声を張る。大塚青果(同21)の大塚ミエさん(69)は、ジンギスカン料理のこつを伝授。「鍋に敷いた野菜の蒸気で肉を焼くと柔らかくなる。すりおろしたニンニクとリンゴをたれに入れたり、ギョウジャニンニクを漬けたしょうゆで味わうのもいい」と紹介する。(半澤孝平、田中陽介)