2016年5月11日 (水) 掲載

◎サイコロキャラメル、道南食品が土産品として新生

 明治(東京)のロングセラー商品「サイコロキャラメル」が、3月で全国販売を終了した。製造を一手に引き受けていた同社グループ会社の道南食品(函館市千代台町、石原良太郎社長)は、6月から自社商品として販売を再開し、北海道限定の土産品として売り込む考えだ。

 サイコロキャラメルは、1927(昭和2)年に発売。赤と白のサイコロをデザインしたパッケージで親しまれていたが、キャラメル市場の縮小を背景として、明治が同商品を含む5種類の生産を取り止めた。販売終了時の価格は、1箱キャラメル2粒入りの5箱セットで132円(税込み)。

 道南食品は80年からサイコロキャラメルの製造を請け負うとともに、道内の食材を生かした土産用のチョコレートなど30種類以上の自社製品を生産している。

 〝新生〟サイコロキャラメルについて、業務部の山谷真信課長は「全く同じ包装とはいかないが、サイコロのデザインは残したい」と話し、道産原料にこだわった商品として売り出す方針だ。(山田大輔)



◎34年前のサミット料理いかが

 三重県で26、27の両日開かれる伊勢志摩サミットにちなみ、函館市白鳥町17のフランス料理店「イリュージョン」は、1982年にフランスで開かれたベルサイユサミットの晩さん会で実際に各国首脳が味わったコース料理を再現し、16日から提供する。伝統的な肉料理やスイーツなど5品で、サミットならではの味と雰囲気を紹介する。

 オーナーシェフの岩城浩司さん(65)は、同サミットの料理総指揮官を務めたミシェル・パスケ氏と友人で、2008年には洞爺湖サミットに合わせてパスケ氏からレシピや盛りつけを教わり、ベルサイユサミットのメニューを提供した。料理の再現は今回で5度目。

 サミットは82年6月4~6日に仏ベルサイユ宮殿で開かれ、ミッテラン仏大統領やレーガン米大統領、鈴木善幸首相ら各国首脳が出席した。3度あった晩さん会のうち、今回は6日に供された「オマール海老・サーモン・有機野菜のモザイク仕立て」「フランス仔鴨のロースト赤すぐりと黒すぐりのソース」など5品を再現。桃を赤ワインでじっくりと煮込み、その下にアイスクリームを敷いたデザートやチーズ、トリュフチョコレートなどもあり、スイーツ好きも楽しめる。

 歴史的な食器を使った晩さん会にならい、同店でも18世紀後半のナイフやフォークを用意する。岩城さんは「各国首脳は食事にかける時間がなかったため、一品一品にボリュームがある。クラシックな料理とデザートを楽しんで」と話している。

 サミット料理の提供は6月30日まで。料金は1人5000円(税別)で、予約が必要。営業は午前11時~午後2時と午後5~10時。水曜定休。問い合わせは同店(☎0138・40・3703)へ。(千葉卓陽)



◎いのちのホットライン 15年度の相談123件

 函館市が自殺予防を目的に開設している「函館いのちのホットライン」に、2015年度寄せられた延べ相談件数(相談者数)は、前年度比39件減の123件だった。市保健福祉部は「一人で悩みを抱え込まず、相談してほしい」とする。

 11年6月に設置。毎週月曜・金曜日の週2回、午後5時半から同8時半まで開設しており、相談支援業務の経験者が悩みやストレスなどを抱えている市民の相談に、匿名で対応している。開設日数は103日で、1日当たり1・2人から相談が寄せられた。

 同部によると、相談の主な内容は、一人でいるのが寂しいなどして「話を聞いてほしい」というものが全体の3割を占めたという。次いで健康問題に関する相談、家族や人間関係に対しての悩みなどで、最も深刻な希死念慮(自殺願望)は6件と、前年度から5件減少した。

 相談者の年代は、40歳代が55人と最多で、60歳代の21人と続く。20歳代は4人、10歳代0人と例年件数は少ないが、全国的に若年層の自殺は後を絶たない。市は18~39歳対象の相談支援、居場所づくりとして、北海道国際交流センターに事業委託し、同センター内(元町14)に昨年8月、フリースペース「ヨリドコロ」を開設。引きこもりがちな人の外出の契機にしたり日常生活の中で安らげる場で、要因が多岐にわたる自殺の予防につなげる狙いがある。

 また、道は地域ぐるみで自殺未遂者を支援する体制づくりを検討しており、今後道南エリアをモデル地区とした取り組みを進める予定という。同部は「ホットラインをはじめとした自殺予防対策は、関係機関との情報共有や市の部局全体で取り組まなければならない」としている。

 道警函館方面本部によると、昨年1年間の市内の自殺者数は前年比12人減の64人だった。ホットラインは☎0138・32・1548。(蝦名達也)


◎被災地で心のケア 熊本地震で函館赤十字病院、看護師が初の派遣

 函館赤十字病院(函館市堀川町6、平田康二院長)の看護係長常田智子さん(42)が、熊本地震被災者の心のケア活動を行う日本赤十字社北海道支部の心のケア班派遣要員に任命され、10日、函館を発った。

派遣先は熊本県西原村で、15日まで現地に滞在して支援に当たる。今回の震災に対し、同院からの派遣は初めて。

 心のケア活動は、避難所で生活する被災者の健康チェックをしながら不安や心配ごとを聞き取り、必要な支援へとつなぐ役割を担う。

 常田さんは現在、内科・整形外科病棟の看護師として活躍。2006年に心のケア活動の研修を受けており、11年の東日本大震災では岩手県釜石市や陸前高田市に計3回派遣され、支援活動を行った。

 今回で2度目となる被災地派遣に、常田さんは「要請があればいつでもいけるよう心の準備をしていた。被災者の心に寄り添って支援していきたい」と任務遂行を誓った。(鈴木 潤)