2016年5月14日 (土) 掲載

◎ききょう幼稚園 ハンモックを使ったフィットネスヨガ全国初導入

 函館市西桔梗町のききょう幼稚園(川村瑞枝園長、園児290人)は、正課授業の一環として、ハンモックを使ったフィットネスヨガ「アンティグラビティ」を全国の幼稚園で初めて導入した。川村園長は「子どもたちの体力向上と、チャレンジ精神が育まれることを期待する」としている。

 アンティグラビティは、米国ニューヨーク発祥のフィットネスで無重力を意味する。ハンモックを天井から腰のあたりに吊るし、空中に浮いたり、逆さになったりして体幹などを鍛える。

 同園では、文部科学省が全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施している体力テストで、北海道が常に全国平均を下回っていることを受け、幼児のうちから運動に親しんでもらおうと選択保育コースのプログラムとしてアンティグラビティの導入を決めた。

 13日、市内松陰町のヨガスタジオ・チャクラ(山崎恵子代表)で初回が開かれ、年長の6人が参加。山崎さんら4人のインストラクターの指導を受けながら、ハンモックに寝転んだり、ブランコのように振られたりして、運動を楽しんだ。毎週金曜全25回を予定しており、さまざまなポーズやテクニックを学ぶ。

 山崎さんは「柔軟性や空間認識機能の向上に最適なフィットネス。技術と一緒にあいさつやルールを守ることの大切さを伝え、心も成長できるような指導をしていきたい」と話している。(金子真人)



◎特殊詐欺 歌って防止を

 特殊詐欺被害防止に役立てようと、道警函館方面本部の小笠原和美本部長が警視庁広報課長時代に作詞・作曲した被害防止ソング「まさかの坂道」の函館編が完成し、13日に函館市内で開かれた啓発活動で初披露された。2番の作詞は、函館で起きた事案を基に同本部の警察官が担当。港町函館に合うムード感漂う“作品”で評判も上々。小笠原本部長は「皆さんに少しでも口ずさんでもらい、被害防止につながれば」としている。

 「まさかの坂道」は、小笠原本部長が振り込め詐欺被害者に会って話を聞く中で、「まさか私が。まさか僕がだまされるなんて…」と、被害者が事件に巻き込まれて初めて抱く後悔の念を歌で表現。メロディーは小笠原本部長が口ずさんだものを録音、それを基に警視庁音楽隊が楽譜にした。広報課長だった2014年2月まで東京の啓発活動で活用した。

 函館編は、市役所の職員をかたる還付金詐欺手口を分かりやすい歌詞にした。「まさかの坂はそこにある ATMでお金は戻りません」と甘いわなにだまされないように、注意を呼び掛ける。

 13日に函館市芸術ホールで行われた春の地域安全運動(11~20日)の総決起大会で、警察官と町会関係者ら30人が、道警音楽隊の演奏に合わせて合唱。スナックのカラオケのような和んだ雰囲気ながらも、的を射た防犯メッセージも伝わり、会場から大きな拍手が起きた。

 同本部は、函館編を今後の啓発活動で積極的に活用していく。(田中陽介)

※2番の歌詞

 ある日の午後に 電話が鳴ったの

 市役所ですが お金が戻ります

 ああ良かった 臨時のボーナス

 すぐに駆け込んだ最寄りのATM

 言われたとおりに ボタンを押したら

 あっという間に だましとられてた

 まさかの坂はそこにある

 ATMでお金は戻りません



◎春の高校野球開幕 22チーム熱戦火ぶた

 第55回春季道高校野球大会函館支部予選(道高野連など主催)が13日、オーシャンスタジアムで開幕した。30日から札幌円山球場で開かれる全道大会出場を目指して、各チームが熱戦を展開する。

 今大会は2つの連合チームを含む24校から22チームが出場。A、Bブロックに分かれて争い、優勝2チームが全道大会に駒を進める。

 快晴に恵まれた初日は、Aブロック1回戦3試合が行われ、開幕戦の知内、3戦目の函西がそれぞれコールドゲームで制し、2戦目は函大谷が勝利し、準々決勝進出を果たした。今季初の初戦とあり、選手は緊張感からか体の硬さがみられたが、各チーム練習の成果を十分に発揮した。

 14日も午前9時から同スタジアムでBブロック1回戦3試合を行う。各ブロックの決勝は21日の予定。(小杉貴洋)


◎函館・道南に行く頻度 青森市民54%「変わらない」 青森大調査

 青森大学が行った北海道新幹線に関する調査で、青森市民の54%が「新幹線開業後も函館・道南へ行く機会が変わらない」と考えていることが分かった。函館・道南へ出向く頻度も、55%が「ほとんど行かない」と答えており、青函交流の活発化に向けた施策展開が、改めて課題となりそうだ。

 調査は新幹線開業前の昨年8~9月、「青森市と新幹線の関係性」をテーマに20代以上の青森市民253人を対象にアンケートを郵送。うち87人(34・4%)から回答を得た。

 函館・道南へ出向く頻度について「ほとんど行かない」と答えたのが55%で、「2年に1回以下」が24%、「1年に1回程度」が14%で続いた。開業後に出向く機会が増えるかとの設問には54%が「変わらないと思う」と答え、「増えると思う」は43%。「減ると思う」も2%あった。

 また、北海道新幹線開業後の青森駅、新青森駅や駅周辺について、新青森駅に関しては48%が「今と変わらない」と答えた一方、青森駅は53%が「すたれていく」と回答。

 北海道新幹線が及ぼす影響・効果(複数回答)については「青森駅に乗り入れる特急列車が減り、青森駅を利用する人が減る」との回答が46人で最も多く、「駅周辺の街並みが空洞化する」と「青森市一円を訪れていた観光客を道南に奪われる」が45人で並ぶなど、悲観的な見解が目立つ。青森市が今後力を入れるべき施策(複数回答)では、道南との観光連携強化が44人と最多で、新青森駅へのアクセス改善や青森駅一帯の整備を望む声も多かった。

 調査を行った同大の櫛引素夫准教授は「青森市民にとって、函館の存在感が薄れている感があるが、出向く頻度が増えるという回答が4割以上あったのは大きい。関心は高く、日常生活の中で函館が登場する機会は増えていると感じる」と指摘。その上で「自治体や経済界が(新幹線の運賃や本数など)地元住民に目を向けた施策をJRに要望していく方策がとれない限り、口先だけの青函連携で終わる」と警笛を鳴らしている。(千葉卓陽)