2016年5月15日 (日) 掲載

◎高校生 迫力の書道パフォーマンス

 【松前】高校生が音楽に合わせてダイナミックに書をしたためる「第6回書道パフォーマンス」(文化の香り漂う書のまちづくり推進協議会主催)が14日、町民総合センターで開かれた。訪れた観客は生徒の迫力ある筆さばきに見入っていた。

 近代詩文書の父と呼ばれる書道家金子鷗亭(おうてい)氏の生誕地である松前町は「書のまちづくり」を掲げており、新たな書道の魅力を町内外に発信しようと、毎年サクラの時期に同イベントを開催している。

 今年は3月の北海道新幹線開業を記念して青森弘前実業高校をゲストに迎え、札幌龍谷学園、函館大妻、遺愛女子、市立函館、函館西、函館中部、南茅部、江差、松前の10校が参加。生徒たちがダンスミュージックなどに合わせて、縦4メートル、横6メートルの紙の上で大胆に筆を走らせると、会場から大きな拍手が起きた。

 このほかにも、札幌書究文化書芸院理事長の山田起雲氏による席上揮毫(きごう)や松前中学校の生徒による吹奏楽の演奏に合わせた書道パフォーマンスも行われた。

 遺愛女子高校書道部の田中佑季さん(17)は「先生への感謝の気持ちを込めて書いた。15人全員の息がぴったりで練習より、良い作品になった」と話していた。(金子真人)



◎児童生徒 止まらぬ減少

 函館市教育委員会は、本年度の市立小・中学校の児童・生徒数(1日現在)を公表した=グラフ=。小学生は前年度比277人減の1万5777人、中学生が同113人減の5485人(どちらも特別支援学級を含む)となった。減少人数合計の390人を現行でみると、港小規模の学校が一つなくなる計算になり、市の少子化が年々加速していることを裏付けている。

市内の児童・生徒数の推移は、1982年度の小学生3万1352人、87年度の中学生1万5558人をそれぞれピークに減少し続けた。2004年12月に市と旧戸井、恵山、椴法華、南茅部4町村と合併したのを機に、一度人数は増加したが、翌年度以降、減少の一途をたどっている。

本年度の普通学級数をみると、小学校は前年度より13学級減少して396学級に、中学校では3学級減の182学級となった。一方で特別支援学級は、新たに千代ケ岱、上湯川両小に新設されたことなどで、小学校が3学級増の76学級。赤川中に情緒学級が新設され、中学校は1学級増の35学級と増加傾向にある。

全学年が1クラスの単学級校は、8校の複式学級校を含め小学校で21校、全体の45・6%を占める。中学校では、複式学級校3校を含む11校で全体の42・3%と、学校の小規模化が顕著となっている。

本年度児童・生徒数が増加した小・中学校は、ともに2割程度にとどまる。数十人規模での増加は主に桔梗、美原地区など郊外の学校に集中しており、今後もこの傾向は続くものとみられる。

市では4月に五稜、桐花、大川3中の統合校の五稜郭中が開校。18年度には的場、光成、凌雲3中統合の巴中の開校が決まっている。市教委は「地域と学校のつながりを強化し、少子化に対応した活力ある学校運営を目指した再編を進めていきたい」としている。(蝦名達也)



◎ながまれ号試乗会

 日本旅行(東京)は14日、道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)の観光列車「ながまれ海峡号」の試乗会を、函館―木古内間で行った。モニター13人が車窓の景色を楽しみ、地元食材を使ったバーベキューなどに舌鼓を打った。復路の茂辺地駅からは、高橋はるみ知事も同乗した。

 ながまれ号は、普段は一般車両として運行するが、同社が旅行商品を企画、販売している。28日に初運行し、8月まで隔週土曜に計6回予定。180人の募集に対し、道内外から155人の予約が入って好調だ。運行は10月末まで。道南スギを使ったテーブルやヘッドレストを設置した特別仕様だ。

 函館駅を午後3時57分に出発。車体に函館山やいさり火を配した濃紺の車両がゆっくりと走り出した。往路は、函館の洋菓子店「プティ・メルヴィーユ」が提供する海鮮丼に見立てたスイーツと自家焙煎(ばいせん)コーヒーが出た。復路は、道の駅みそぎの郷きこないのレストラン「どうなんデス」のイタリアン前菜と塩パン、スープを味わったほか、北斗産峩朗(がろう)ガキやツブ貝などのバーベキューを茂辺地駅から車内に持ち込んで堪能した。

 高橋知事は「全部おいしかった」と笑顔。モニターで、函館まちあるきガイドの土田尚史さん(40)は「地元に住んでいても知らない味覚がたくさんあって新鮮だった。新幹線と違い、潮風が感じられ、のんびりくつろげるのが魅力」と話した。(山崎大和)


◎桜がつないだ 日英の絆刻む

 【松前】サクラを通じた交流がある日本とイギリスの絆を刻む「日英讃桜文化友好親善記念碑」が松前公園内の桜資料館横広場に建立され、14日に除幕式が行われた。建立者のサクラ研究家浅利政俊さん(85)=七飯町=や石山英雄松前町長(60)、英国王立園芸協会のクリス・サンダースさん(72)らが出席し、日英友好を象徴する石碑の建立を喜んだ。

 浅利さんは、松前松城小学校の教諭として勤務していた1957年、町からの依頼で当時300本ほどしかなかった松前公園のサクラの植栽、品種改良に取り組み、現在では250種1万本が咲き誇る桜の園を作り上げた。

 93年にはイギリスウィンザー王立公園の依頼で松前品種を含む58種類のサクラの苗木を贈り、春になると同国の植物園や公立大学などできれいな花を咲かせている。

 除幕式で浅利さんは「北海道で育ったサクラを受け入れてくれたことに感謝している。これからもサクラを通して両国の絆を深めていきたい」とあいさつ。松前を初めて訪れたサンダースさんは「満開のサクラは想像していた以上のものだった。浅利先生のおかげでイギリスでもサクラが楽しめるようになったことを感謝する」と祝辞を述べた。(金子真人)