2016年5月2日 (月) 掲載

◎桜と人の文化後世に 浅利さんら友の会結成

 約120年前、函館公園(青柳町)に初めて植えられたソメイヨシノの前で1日、有志による「函館桜友の会」の発会式が行われた。財団法人「日本さくらの会」の「桜守(さくらもり)」である浅利政俊さん(85、七飯町)が会長を務め、函館全域のサクラを見守り、花と人が心を交わす文化を後世に伝えようと団結。北海道新幹線開業も祝い「青函圏のサクラ観光の充実を」と意気込んでいる。

 活動は観察会や記念植樹、病気の枝切りなどの保護保全で「サクラと市民が互いにたたえ合うことを目指す」と事務局。発会式には14人が参加し、浅利会長の案内で園内のサクラを見て回った。

 浅利会長によると、同公園のソメイヨシノは1889(明治22)~93(同26)年ごろ、函館の商人、逸見小右衛門(へんみこえもん)が「亀田川を隅田川に、函館山を吉野山にしたい」と、サクラによる景観美化に取り組み、植栽したのが始まりで、道内最古の歴史を誇るという。

 現在、老木は市立函館博物館近くに2本あるが、ともに傷みが激しく「北海道のソメイヨシノの元祖を守るためにも対応が急がれる」と浅利会長。博物館前の1本には野鳥が種を持ち運んだと思われるオンコが根付き、「これはサクラにとって大変負担になる」とし、推移を見守りながら状況次第では、関係機関に延命措置に向けた対応の協力を求めたい考え。

 市内の会社員工藤孝広さん(29)は「貴重な話が多くて勉強になった」。長男の空ちゃん(5)も「花のピンクの色が好き」とにっこり。浅利会長は「函館のサクラの現状は必ずしも正しく把握されておらず、どう末永く生かすかなど未知状態。課題解決に向けて多くの人と力を合わせて頑張りたい。サクラの好きな人であれば歓迎したい」としている。

 同会では近日、ホームページを立ち上げて会員を募る。(田中陽介)



新函館北斗駅や函館市内輝く

 【北斗】今季から開館時間を午後8時までに延長したきじひき高原パノラマ展望台(村山、標高560メートル)では、日没後、新函館北斗駅や函館新幹線総合車両所のほか、函館市内が輝く様子が楽しめる。

 昨季までは午後5時まで(6、7月は同7時)だったが、北海道新幹線開業を機に市が同展望台からの夜景を観光名所にの一つにしようと開館時間を延長した。日没直後は函館山も美しく、夏になるとイカ釣り漁船が放ついさり火の明かりが津軽海峡に浮かんで見える。

 望台は10月31日まで。夜間はタヌキなどの動物が道路にいることがあり、車の運転に注意が必要だ。(山崎純一)

 



◎新駅 レンタカー需要急増

 【北斗】大型連休に入り、3月26日の北海道新幹線開業に合わせて営業を始めた新函館北斗駅前のレンタカー店では、利用客が急増している。多い日で1日70件の予約が入っている店舗もあり、同駅から車を使って道内を周遊する需要の高さをうかがわせている。

 同駅付近にはレンタカー会社8社が進出。市総務部企画課がまとめた2次交通に関する調査によると、開業日の利用は全社で約360件あったが、以降は観光閑散期ということもあり、3月27日は約90件、同28日は約20件と利用は低迷していた。

 トヨタレンタカーは大型連休期間中、1日平均でこれまでの5倍を超える約70件の予約が入っているという。新函館北斗駅前店の安達萌夏さんは「満車が続いてフル稼働の状態。予約なしで来店したお客さまは、残念ながら断らざるを得ない状況です」と話す。 

 オリックスレンタカーは多い日で約50件の申し込みがあったといい、新函館北斗駅前店の担当者は「ファミリーの利用が急激に増えた」とする。

 駅レンタカーは4月29日、これまでで最多となる52台の利用があった。新函館北斗営業所の笠原久生店長は「年配の夫婦や家族連れの利用が多く、新千歳空港で乗り捨てる方が3、4割。想定よりは若干少なめだが、夏場は80台くらいの稼働を目指したい」としている。

 5月1日に家族4人でレンタカー店を訪れた埼玉県の蔭割(かげわり)高広さん(35)は、「4泊5日で札幌や富良野を巡り、新千歳空港から飛行機で戻る予定。北海道は2回目ですが、楽しみです」と笑顔で話していた。

 各社は利用のピークは過ぎたとみており、「5~8日に返却が集中する」としている。 (山田大輔)


◎大野中と函西高が札幌ドームで演奏 日ハムGWイベント

 3日に札幌ドームで行われる、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークス戦の企画イベント「ゴールデンウイークススペシャル音楽祭」に、函館西高校吹奏楽局と北斗大野中学校吹奏楽部が出演する。ファイターズ側から依頼があり、両校は「貴重な経験」と大観衆の前での演奏を楽しみにしている。

 同音楽祭は、ファイターズが3~26日に行うホームゲームを「WE LOVE HOKKAIDO シリーズ 2016」として開催する中での企画。3~5日の試合終了から約30分後から始まる。初日の3日は北海道新幹線開業にちなみ、新函館北斗駅に一番近い北斗大野中学校吹奏楽部と、近隣の高校生バンドの中から函館西高吹奏楽局が選ばれた。4日以降は札幌の団体が出演する。

 大野中は、ゴダイゴの「銀河鉄道999」や「A列車で行こう」など5曲ほど演奏。西高は、北島三郎の大ヒット曲「まつり」や「ディズニーメドレー」などを披露する予定だ。

 ゴールデンウイーク期間で、現在パ・リーグ首位のソフトバンク戦とあって、野球ファンら4万人以上の来場が予想される。試合を観戦した人は、グラウンド内で演奏を楽しむことができる。

 大野中顧問の三笠裕也教諭は「演奏を通して北海道新幹線開業や北斗市をアピールします。観客が喜ぶ演奏したい」と話し、ファイターズファンという西高の中村七夕局長(3年、オーボエ)は「光栄です。西高サウンドで函館をアピールします」と意気込みを見せた。(鈴木 潤)