2016年5月3日 (火) 掲載

◎新駅の〝サクラ〟もうすぐ満開

【北斗】新駅もサクラ色―。北海道新幹線新函館北斗駅2階の北斗市観光案内所壁面に、メッセージカードを張り付けてサクラが咲いたように見える大木が出現し、来訪者の目を引いている。現在八分咲きで、満開になるとハート形が出来上がるという。

 サクラの名所巡りを楽しむイベント「北斗桜回廊」(7日まで)の一環で、市観光協会(佐々木博史会長)が企画。サクラをかたどった3色のカードから1色を選び、サクラを見た感想や願い事など、自由にメッセージを書き込んで幹に沿って張り付ける。海外からの参加者もおり、みんなの思いで1枚ずつ作り上げていく作品だ。

 メッセージの内容は、新幹線が開業した喜びや法亀寺のしだれ桜の素晴らしさ、結婚報告など多彩。案内所スタッフの勘田眞綾さんは「見ているだけで楽しい気分になる」と笑顔を見せる。参加無料。問い合わせは市観光案内所(☎0138・84・1147)へ。(山崎大和)



調停委員38年の歩みつづる 山崎弁護士が冊子「回顧」

 山崎総合法律事務所(函館市時任町2)の弁護士、山崎英二さん(69)が、38年間続ける調停委員としての歩みを冊子「回顧―私と調停とのかかわり―」(A5判、33ページ)としてまとめた。7期14年務めた函館調停協会長(兼連合会長)の活動も交え「後進の調停委員の参考に少しでもなればと、また一般市民の皆さまが調停制度の理解を深めることに役立ててもらえれば」としている。

 山崎さんは、1978年に32歳で民事調停委員に。一般では40歳以上の採用だが、当時函館で弁護士が少なかったことから、裁判官1年と弁護士2年、法曹歴3年目の山崎さんが重責を担うことになった。

 4月22日の函館調停協会の定期総会で、会長を退任するにあたり「本業の弁護士業務を通じては得られない多くのことを学び、物事を多面的に見られるようになった。何よりも多くの調停委員との出会いを通じて、人の輪という大きな財産を得られた」と感謝の思いを込めて関係者に冊子を届けた。

 調停について「訴訟と相違して申し立ての手続きも難しくなく費用も余りかからず、かつ弁護士に頼まなくても本人でできる。調停委員が仲に入って紛争を法と条理に従って話し合いで解決する制度」とし、「日常生活で法的に困ったことがあれば、解決に役立つ制度なのでぜひ利用を」と呼び掛ける。

 回顧で「調停委員の仕事は、裁判所から任ぜられる刑事事件の国選弁護人や破産事件の破産管財人と同じく、弁護士の仕事の延長上と考えている」とする。

 冊子は製本以外、事務所スタッフの手づくりで300部製作。発送先の全国各地から、ねぎらいの言葉や励ましがあり「本当にありがたい」と山崎さん。

 残り30部を希望者に活用してもらいたいとする。問い合わせは同事務所(☎0138・51・1100)へ。(田中陽介)

 



◎健康増進センター利用者、初の5万人台

 函館市総合保健センター(五稜郭町23)4階にある健康増進センターの2015年度の利用者数は、延べ5万245人に上った。前年度比581人の増加で、初めて5万人台を記録した。自分のペースに合わせて気軽に体を動かせる点が人気で、継続利用者が増えていると考えられ、市健康増進課は「健康づくりのため、今後も利用してほしい」と呼び掛ける。

 同課によると、個人利用分は同391人増の3万751人で、うち半数の1万5858人を65歳以上が占めた。一方、64歳以下の一般は同1046人減の1万2744人で、同課は「65歳になった人が継続して利用するケースが増えているのでは」とみる。団体利用分は前年とほぼ同数の9212人だった。

 同センターでは2カ月間8回コースで行う、初心者向け運動教室(予約制)を実施。エアロビクスやヨガなどの4種類で、毎回定員の50人をオーバーする人気ぶり。4コースあるトレーニングマシン教室(定員各20人)も好評で、教室参加人数は同238人増の1万282人と伸びている。

 03年開設の同センターでは、ランニングマシンやエアロバイク、筋力トレーニング用のスポーツ器具を用意している。昨年8月に函館アリーナ(湯川町1)がオープンし、同センターの利用減も考えられたが、個人利用分は月2500人前後で順調に推移。同課は「短期間での筋力アップなどではなく、健康維持を目的に長期的に利用する人が多い」とし「今後は年齢構成を考慮した講座なども検討したい」とする。

 週4日利用している市内在住の飯田秀さん(69)は「ロードバイクで走れない雨の日に、持久力を付けるためによく利用している。毎日体を動かさないとね」と話していた。

 個人利用は18歳以上の市民が対象。料金は400円で、65歳以上は200円。障害者は無料。団体利用は予約制で、各部屋の使用料金などは市保健福祉部のホームページで見ることができる。火曜休館日。問い合わせは同課(☎0138・32・1515)へ。(蝦名達也)


◎市電車体正面に棒二森屋ロゴ復活

 棒二森屋(函館市若松町、丸山篤司店長)は5月から函館市電に車体広告を掲出した。アネックスにオープンしたスイーツ店などを宣伝するためで、車体のフロント面には棒二のロゴマークと「森屋」の文字が入った。かつての系統板広告を想起させ、懐かしさも感じるデザインとなった。

 市企業局交通部事業課によると、過去に使用していた市電の系統板には、番号や路線名の下に棒二のロゴが入っており、「広告枠ではなく、棒二森屋から寄贈を受けたものを使用していたようだ」とする。平成以降も一部車両で使用していたが、車体全体を広告化するカラー電車の導入とともに徐々に姿を消していったという。

 本館7階催事場で開催中の函館市電の写真展(8日まで)では、戦後の主力車両500形などの車両に形状やデザインの異なるロゴ入り系統板を確認でき、文字通り〝市電の顔〟として定着していたことがうかがえる。同課は「棒二のマークにはインパクトがある。市民やファンには懐かしく思ってもらえるのでは」とする。

 新しい車体広告は、北海道新幹線開業に合わせて、アネックスを改装してオープンした「はこだてスイーツ&カフェ」(1階)や「おみやげ処」(地階)をPRするデザインで、車両全体をピンクで統一した。3月末で別企業の広告契約が満了した812号車を使用し、末広がりの「8」と棒二のロゴにもみえる「12」を合わせた車両番号になった。

 営業企画担当の芳木田俊一さんは「若いお客さまにも駅前に来ていただいて、楽しい時間を過ごしてもらいたい。観光客には当店でくつろいでもらったり、お土産の買い物に利用していただければ」としている。(今井正一)