2016年5月4日 (水) 掲載

◎晴れやか花嫁行列 江差いにしえ夢開道

 【江差】「春の江差いにしえ夢開道」(実行委主催)が3日に始まり、北前船時代の町並みを再現したいにしえ街道で、恒例の花嫁行列が行われた。紋付きはかま姿の花婿と人力車に乗った花嫁が祝いの長持ち唄に合わせて進み、沿道から盛大な祝福を受けた。

 今年のカップルは、2月に入籍した江差町の萩原徹さん(48)と民謡歌手の香澄さん(41)=旧姓木村=と、12月に入籍を控える青森県今別町の町職員奥崎匠さん(33)と嘱託職員小鹿知咲さん(22)。東本願寺江差別院をスタートし、旧中村家住宅での嫁入り儀式を経て、姥神大神宮を参拝した。

 萩原さんは、歴まち商店街協同組合の理事長で、春の江差いにしえ開道の実行委員長。「大勢の仲間から祝ってもらいうれしい」と話し、香澄さんは「笑顔が絶えない明るい家庭を築きたい」と声を弾ませた。

 今別町の2人は「盛大なお祭りでこれだけたくさんの方に祝ってもらい、いい思い出になった」とにっこり。北海道新幹線開業で近くなった江差に「また来たい」と話していた。(稲船優香)



◎群れなすヤリイカ 縄張り巡って威嚇 水槽で産卵行動を公開

 函館市国際水産・海洋総合研究センター(弁天町)は、大型実験水槽で実験中のヤリイカの産卵行動を公開している。約20匹のイカが放たれ、群れをなしてゆったりと泳ぐ様子や縄張りを巡る雄同士の威嚇行動、房状の卵塊などを確認でき、間近にイカの群れを見ることができる貴重な機会となっている。

 冬から春にかけて産卵時期となるヤリイカの実験は昨年の同時期に続いて2回目。容量約300トンの大型水槽を使い、4月21日から今月12日までの日程で、イカを入れ替えながら観察を続けている。

 実験を行う北大大学院水産科学院資源生態学研究室の修士1年時岡駿さん(22)によると、3日現在の約20匹の群れには5匹の雄がおり、そのうちの体の大きな1匹が産卵礁の近くを縄張りとして、水槽の約半分を〝占拠〟。近づく他の雄を追い払う様子や、雌を産卵礁に誘導しようとする動きを見せる。

 縄張りを持った雄以外のイカは群れを形成して、水槽内をほぼ乱れることなく行動している。2日夜から3日にかけて、産卵礁にはフジの花のような房状の白い卵塊ができ、今後、別の水槽に移して観察を続けるという。

 時岡さんは「昨年夏にスルメイカでの実験もしたが、ヤリイカの方が穏やかで動きがきれい。暗い中で白いイカを眺めていると癒やされる」と話す。さらに「縄張りをつくる行動も昨年の実験で分かったこと。縄張りを持てない雄が子孫を残すための戦略もみていきたい」としていた。

 8日までは土、日曜日、祝日も開館。入館無料、午前10時~午後4時。(今井正一)



◎いさりび鉄道、知名度向上へ奮闘

 【木古内】北海道新幹線開業に伴い、旧JR江差線五稜郭―木古内間37・8キロの経営を引き継いだ道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)が、沿線市町でのPR活動を強化している。大型連休期間中は木古内駅で、臨時販売所の開設や、地場産品の無料配布などを通じて懸命にPRに取り組んでいる。

 3日は、木古内駅の待合室(旧売店跡)に臨時販売所を設けた。タオルや缶バッジ、クリアファイル、記念乗車券セットなどグッズをずらりと並べたほか、道の駅みそぎの郷きこないには置いていない土産品も扱う。臨時販売は8日まで、午前10時~午後4時半。

 また、3日はJA函館市亀田の協力で、塩ゆでした函館産ジャガイモ「さやか」を200食分、待合室で配った。イカ塩辛をのせて北海道らしさをアピール。ロゴマーク入りの白い同社のジャンパーを着た社員が「いさりび鉄道をよろしくお願いします」と声を掛けながらイモを手渡した。北斗市公式キャラクター「ずーしーほっきー」のクリアファイル200人分も配布し好評だった。4日も午前11時半と午後2時半の2回に分けてイモを配る。

 4日は午後2時半から、木古内町のマスコットキャラクター「キーコ」のクリアファイルとシールセットを200人分配り、利用促進を呼び掛ける。

 塚原克善経営企画部長は「3月26~31日の利用者数は、1日あたり2300人と経営計画(2000人)を上回った。出だしは順調で、この勢いを維持したい。木古内駅には新幹線駅を降りた観光客もおり、知名度向上を図るとともに、沿線の食をPRできれば」と話していた。(山崎大和)


◎HPから投書 増加傾向 昨年度「市民の声」に535件

 函館市が市民の意見を市政運営に反映させるため開設している「市民の声」に2015年度、前年度比14件増の535件が寄せられた。インターネットを利用した市ホームページ(HP)からの投書が目立ち、市広報広聴課は「自宅からでも気軽に利用できることから、若年層の投書に期待したい」としている。

 同課によると、12年度に集計を開始したHPからが同69件増の255件と最多。本庁舎の投函箱に寄せられたのが同22件減の137件だった。

 次いで湯川支所に26件、亀田支所14件など。幅広い年齢層からの投書を狙い、昨年4月には市総合保健センター(五稜郭町)から市中央図書館(同)に投函箱を移設したが、同14件減の26件と伸び悩んだ。このほか「市民の声」には加えないが、市の代表メールに寄せられた意見、要望も298件あった。

 意見としては計550件あり、職員の窓口対応や庁舎管理、行財政に関するものが最多の234件。除雪や道路舗装などを要望する声は158件で、教育や文化・スポーツに分類されたのが58件だった。

 実際に市政に反映した指摘や要望では、五稜郭公園でウオーキングやランニングを行う際、反時計回りで周る協力を呼び掛ける看板を3基新設。交通事故防止のため、東雲町の市道交差点に植栽されていたツツジやオンコを撤去、移植し、視界の確保に努めた。

 「市民の声」は1997年度から実施。専用用紙に記入し、本庁舎や各支所などに設置されている投函箱に入れたり、インターネットを使ったりして投書できる。同課は「職員では気付かない問題も多いので、多くの意見や要望をいただき市政に反映させたい」としている。(蝦名達也)