2016年5月7日 (土) 掲載

◎バドミントン・佐々木翔 リオ決定

 バドミントンのナショナルメンバーで北斗市出身の佐々木翔選手(33)=トナミ運輸=が、リオデジャネイロ五輪(8月)で2大会連続となる男子シングルス出場権を獲得した。5日に世界バドミントン連盟が発表した世界ランキングの同種目で日本人トップの27位となり、出場切符を得た。

 バドミントンの五輪出場は、昨年5月から1年間のポイントレースによるランキングで決まる。シングルスは16位以内に複数の選手のいる国や地域は2枠、1人の場合は1枠を与えられる。違法カジノ店での賭博行為が発覚し、日本協会から無期限の出場停止処分を受けた桃田賢斗(NTT東日本)が4月21日発表時点で4位だったがその後に抹消され、佐々木選手が最上位となった。

 関係者によると、佐々木選手は6月中旬まで海外遠征などのスケジュールが決まっているため、この後に帰省してもらうことを要望しており、壮行会を開きたいとしている。

 日本からは5種目に計6つの出場権を獲得。9日に都内で代表発表会見を行う。(山崎純一)

 佐々木翔(ささき・しょう)1982年、北斗市(旧上磯町)出身。33歳。幼いころから競技を始め、上磯中から名門・関東一高(東京)に進み、シングルスでは2、3年の時に高校総体で準優勝。東京富士大短大1年でインカレ準優勝。07、14年全日本総合選手権優勝。11年日本リーグ最高殊勲選手賞。12年のロンドン五輪ではベスト8入りを果たした。



◎前年並みイカ不漁か、日本海予報

 6月1日の道南スルメイカ漁解禁まで1カ月を切り、今季の漁模様に注目が集まっている。水産研究・教育機構(横浜市)が4月28日に発表した日本海での漁期前半(5~7月)の長期予報では、来遊量は1994年以降で最も漁獲が少なかった前年並みになると予想。一方、燃油価格が低水準を付け、今季から操業予定のイカ釣りの新規参入者も現れるなど、明るい話題も出ている。

 函館のイカ釣り漁船は解禁後、日本海側を北上する群れを追って松前小島付近で操業。津軽海峡内に漁場が形成される7月まで日本海が漁獲の中心だが、漁場が遠いため、近年は円安による漁船の燃油高に悩まされていた。

 函館市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月より1・6円上がって1リットル当たり55・8円(税別)。前年同月より17・9円安い。同漁協は「近年にない低い水準。この範囲内なら、心配はいらない。イカの漁獲さえあれば」と願う。

 市漁協に21隻、銭亀沢漁協に2隻が所属しており、計23隻が函館港に水揚げする。船の老朽化や船員の高齢化による生産基盤の弱体化が懸念されていたが、市漁協に今季新たに1隻が加わった。水産卸のマルナマ古清商店(函館、古伏脇隆二社長)が出資し3月に設立した「まるなま漁業部」だ。漁船を購入し、出漁準備を進める蛯子清光社長(54)は「高齢化や後継者不足で漁業をする人が減っている。函館の観光資源でもある、いさり火がなくなってしまうのは寂しい。需要のあるイカを捕りに行くしかない」と意気込む。

 道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「長期予報を見ると、資源量は良くないと考えられる。水温が高めで日本海での群れの北上は早い見込みだが、海域ごとの来遊時期はその時々の水温に左右される」とする。北海道日本海へのスルメイカ来遊予測は、函館水試調査船「金星丸」が今月21~27日に行う調査に基づき、漁期開始前に発表される。(山崎大和)



◎飛鳥II寄港、遺愛女子高見学ツアー

 郵船クルーズの豪華客船「飛鳥II」(5万142トン)が6日、函館港に寄港した。市内観光を楽しむオプショナルツアーとして初めて、遺愛女子高校の見学ツアーが組まれた。乗客33人が参加し、生徒たちの案内で、国の重要文化財の旧宣教師館(通称・ホワイトハウス)などを見学した。

 同船の函館寄港は今季3回目。乗客560人を乗せて2日に始まった横浜発着の春満喫クルーズの最中で、函館が最終寄港地。外国客船寄港時のおもてなし活動を続ける同校の協力で初めて校内ツアーが実現した。同行した郵船クルーズの河野凱さんは「寄港地の学校を見学するツアーは全国でもほとんどない試み。参加者は生徒との触れ合いを楽しみにしてきた」と話す。

 英語科3年生有志が案内役を務め、礼拝で使用する講堂(国の登録有形文化財)や校舎、制服の来歴などを説明した。吹奏楽局の2、3年生約60人は歓迎の演奏を披露し、乗客は手拍子や拍手で楽しんだ。1908年建築のホワイトハウスでは、往時の暮らしを知ることができる調度品や建物のおもむきに関心を示していた。

 妻とクルーズ中の栃木県の佐藤雄児さん(80)は「函館は何度も来たことがあるので、このツアーを楽しみにしていた。吹奏楽の演奏は迫力があって素晴らしい。生徒たちの案内も良かった」と喜んだ。

 同校英語科3年の寺沢彩香さん(17)、宿村茉那さん(17)、佐々木綾香さん(17)は「日本人の乗客を学校に案内するのは新鮮。遺愛の歴史を勉強する機会にもなり、いい経験でした」と話していた。(今井正一)


◎松前城で初のプロジェクションマッピング

 【松前】町の歴史などを松前城に投影するプロジェクションマッピングが6日、同城敷地内の「観涛台」で初めて披露された。地元民や観光客ら600人が訪れ、夜の荘厳な建築物と見事に合った美しい映像を楽しんだ。

 松前城プロジェクションマッピングは、松前観光協会発足70周年記念事業の一環。公立はこだて未来大が制作協力し、花見イベント「第69回松前さくらまつり」の期間中に実施した。

 テーマは「桜華舞城」で、築城に至る経緯や戊辰戦争との関わりをさまざまなストーリーで展開。建物の形に沿った幾何学模様の美しい表現と、同園で最も多い品種のサクラ・南殿(なでん)の親木「血脈桜」の愛らしい妖精が登場し、観客を魅了した。松城小3年の赤松来美さん(8)と同2年で弟の翼君(7)は「初めてプロジェクションマッピングを見たけど、すごく面白かった」と目を輝かせていた。

 同イベントは7日も午後7~同8時に、同場所で2回行われる。(斎藤彩伽)