2016年5月9日 (月) 掲載

◎女だけの相撲大会 土俵で熱く美しく

 【福島】第25回北海道女だけの相撲大会(町観光協会主催、函館新聞社など後援)が「母の日」の8日、町鏡山公園相撲場で開かれた。優しさとたくましさを兼ね備えた女力士62人の頂点には、4年連続8度目で札幌市のトラック運転手・山本静香さん(40、しこ名・おでぶ山)が輝いた。

 大会は、横綱千代の山と千代の富士を輩出した町を代表する行事で毎年開催。今回はジャマイカ、アメリカといった海外からの参加もあり、観客約1000人が白熱した女の戦いに見入った。土俵際で悲鳴を上げながら耐える様子や、会場に響く「体脂肪減らす丸」「呑兵衛たかれ」などのユニークなしこ名に、来場者は大声で笑いながら観戦していた。

 決勝戦は毎年上位争いをする田辺山(田辺千乃(かずの)さん、北広島市)に、山本さんが寄り倒しで勝利。前人未到の4連覇を果たした山本さんは「いつも応援に来てくれる母が喜んでくれてうれしい。最高の気分」と満面の笑みを浮かべていた。(斎藤彩伽)



◎公演へ団結強める 函館野外劇の会が決起集会

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は8日、今夏に行う第29回公演に向けた決起集会を函館アリーナで開いた。約30人が集い、夏の公演成功に向けて結束を誓った。

 今年の公演は、7月9日~8月7日の土、日曜で計10回。土曜は夜に本公演(有料)で、五稜郭公園一の橋広場で行う。日曜は五稜郭タワーアトリウムで昼に無料のミニ公演を行う。

 中村理事長は「公演まであと2カ月。今年は夜の公演があり、資金集めにも一層力を入れなければならない。来年は30回の節目でもあり、皆さんの熱演と、知人や関係機関の協力でもっと充実した野外劇になるよう頑張っていこう」とあいさつした。

 せりふのあるキャストやダンスチーム、舞台監督らが自己紹介し、テーマ曲「星のまちHakodate」を全員で歌った。

 函館中部高校2年で演劇部の柳澤詩織さん(16)は「1月のワークショップで楽しそうだと思い、野外劇に初めて出ようと決めた。4月の稽古の様子もすごく皆さんが輝いていたので、私も舞台の力になれれば」と声を弾ませていた。

 同会では、よさこいソーラン踊りなどの踊り手を募集している。ボランティア出演で小学5年生以上。問い合わせは同会事務局(TEL0138・56・8601)へ。(田中陽介)



◎函館市が「第2次食育プラン」策定

 函館市はこのほど、本年度から5カ年を計画期間とする食育推進計画「第2次はこだてげんきな子 食育プラン」を策定した。子どもの早寝・早起き促進や肥満傾向の改善など9項目にわたる指標と目標値を定めた。市民の食育への関心を高めようと、6月19日には子どもも楽しめる体験型イベントを計画しており、食を通じた健やかな暮らしの実現に向けた取り組みを進める。

 第2次プランは、市と関係団体でつくる策定委員会を立ち上げ、第1次プラン(2011~15年度)の評価結果など協議を重ねて策定。市の食をめぐる現状は改善傾向にあるものの、全国、全道水準には届いていないものが多い。14年度の市特定給食施設等実施状況調査では、小学生の適正体重児の割合は、全国に比べ5・8ポイント低い85・4%、全道と比べても約2ポイント下回る。中学生も全国比5・1ポイント、全道比で2・1ポイント低い83・6%となっている。

 また市が1歳半、3歳児の親を対象に行ったおやつ(間食)の与え方に関するアンケートでは、1歳半の子を持つ275人が「甘いものは少なくしている」と答えているのに対し、3歳では132人と半減。「おやつでも栄養に注意している」と答えたのは1歳半で144人、3歳では77人となっていることなどから、第2次プランでは家庭での具体的取り組みを重点的に盛り込んだ。

 主に「夕食後(就寝2~3時間前)のおやつを控えさせる」「幼児と小学生は午後10時ごろまでに寝る習慣を身に付けさせる」など、早寝・早起き・朝ごはんの実践を促したり、油脂分の多いおやつの食べ過ぎ注意や、家族全員で定期的な歯科検診を受診するよう明記している。

 第2次プラン策定を契機に、市は情報発信の機会を増やすため、本年度から食育に関する取り組みをホームページ(HP)で紹介。加えて6月に函館蔦屋書店(石川町85)で開く体験型イベント「食育フェスティバル」では、「早寝・早起き・朝ごはん」や「郷土の食材」などの頭文字を取った同プラン概要版「はこだてげんきなこ」に焦点を当て、各キャッチフレーズの内容に合った子ども向け体験ブースを展開。バランスの良い食事を学びながらランチョンマットを作るほか、北海道日本ハムファイターズ所属の管理栄養士による講演会などを予定している。

 親子で楽しめる形のイベントは初めてで、道栄養士会や市内教育機関など、複数の関係団体と連携して実施。今後市内の幼稚園や小中学校の全員(約2万2500人分)にちらしを配布し、広く参加を呼び掛ける。市健康増進課は「心も体も元気な子どもを育てるため、この計画を広く知ってもらい食育を進めていきたい」としている。

 第2次プランは同課HPで公開している。(蝦名達也)


◎五稜郭タワーに〝人権の赤〟 世界赤十字デーでライトアップ

 「世界赤十字デー」の8日、函館でも日本赤十字社北海道支部函館市地区などによる啓発活動が行われた。夜には五稜郭タワーがシンボルカラーの赤でライトアップされ、市民に活動をPRした。

 8日は赤十字社の創設者、アンリー・デュナンの誕生日。ライトアップは今年初めて行われ、東京・六本木ヒルズや長野・善光寺など全国各地の38施設が赤く彩られた。函館赤十字病院の平田康二院長は点灯式で、箱館戦争で救護にあたり、赤十字運動の先駆者といわれる医師・高松凌雲に触れ「函館は赤十字思想最初の実践地。敵味方の区別なく治療する『人道』の大切さについて理解を深めてほしい」と啓発の趣旨を説明した。

 この日は、五稜郭タワーアトリウムで「赤十字フェスティバル」を開催し、熊本地震の募金活動や災害時に役立つグッズを紹介。熊本地震では今後、函館からも心のケアにあたる看護師や救護班が派遣されるという。(稲船優香)