2009年3月22日(日)掲載

◎来月19日に「バル街」…64店参加

 スペインの伝統的な飲食文化「バル街」を函館市内の西部地区で展開する「函館西部地区バル街」(実行委主催)が、4月19日午後2時から開かれる。今回で11回目で、過去最多の64店が出店。市内の松柏堂プレイガイド各店やバル街参加店、協力店などで前売り券を販売しており、実行委は大勢の参加を呼び掛けている。

 バル街は2004年2月から春、秋の年2回開催。参加飲食店が特別に用意したピンチョー(つまみ)と酒を、はしごしながら楽しんでもらうイベントで、毎回好評を得ている。

 今回は4月20、21の両日に開かれる「2009世界料理学会inHAKODATE」のプレイベントも兼ねる。

 64店のうち初参加店は9店で、西部地区以外の飲食店がスペースを借りて営業する特別出店は7店。奥尻町や江差町、上ノ国町から出店があるほか、車で移動しながら店を構える飲食店もある。午後4時半までに開店する「昼バル」は38店。ビッグバンドのライブやフラメンコショー、道産食材の振る舞いサービスなど関連のイベントも企画している。

 前回が節目の10回だったことから今回を再出発と位置付け、ポスターや店を掲載した地図、ロゴを一新。ポスターやチラシには、大勢の人が笑顔で見せている1915(大正4)年撮影の絵はがきの写真を使い、実行委の深谷宏治委員長は「活力に満ちた生き生きとした瞬間をとらえ、バル街にぴったり」と話す。

 今回から前売り券、当日券ともに500円値上げし、それぞれに3500円(5枚つづり)、4000円(同)で販売する。

 当日は、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)内に案内所「バル街i」を開設する。

 問い合わせはレストラン・バスクTEL0138・56・1570。(鈴木 潤)

【写真説明】ポスターを手に来場を呼び掛ける深谷委員長(左)ら



◎函館大火、慰霊法要で冥福祈る

 1934年(昭和9年)の「函館大火」から75年の21日、函館市大森町の函館大火慰霊堂で函館仏教会主催による殉難者慰霊法要が執り行われた。法要終了後には慰霊堂近くの千歳町の亀田川沿いで、大火を教訓とする烈風の想定下での火災消防訓練を実施。参加した関係者は歴史を心に刻みながら、大惨事を2度と繰り返さないために防火への意識を高めた。

 函館大火は75年前の3月21日午後6時53分に同市住吉町から出火し、瞬間最大風速30メートル以上ともいわれる強風の影響で、火は瞬く間に広がった。鎮火したのは翌22日の午前6時ごろで、死者2166人、行方不明者662人、負傷者9485人を出し、当時の市内約3分の1に当たる416万平方メートルを焼き尽くす未曾有の火災となった。

 法要では犠牲者の遺族や大火の経験者をはじめ、市職員ら約80人が参列した。同仏教会僧侶が唱える読経の中、参列者は祭壇に向かって焼香を行い、犠牲者に心からの冥福を祈った。慰霊堂内では大火で燃えた、当時の市内の様子などを撮影した写真12枚も展示された。

 栄町に住み7歳で大火に見舞われた小泉正一さん(82)は「大火は今でも昨日のことのように覚えている。消火の水が押し戻されるほどの強風で、燃えている屋根がそのままの形で飛んできた。避難する際にはぐれた姉が大森浜で凍死するなど、一生忘れられない悲しい記憶だ」と、話していた。(山田孝人)



◎JR江差線レール一部破断…特急など運休

 21日午前5時ごろ、JR江差線の函館市五稜郭駅―北斗市七重浜駅間で、列車の運行管理のシステムが異常を感知し、レールの溶接部分が約7センチ破断しているのが見つかった。補修作業のため、五稜郭駅―木古内駅間で約1時間にわたって運行を中断し、青森発函館行の特急「白鳥45号」など9本が運休したほか、普通列車など8本が最大で約1時間半遅れ、計約1600人に影響が出た。

 JR北海道などによると、破断したのは五稜郭駅から約950メートル七重浜寄りの地点で、レールの溶接部に最大7センチのすき間ができた。このため、実際に列車が運行していないのにこの区間の信号機が赤のままになるトラブルが発生。係員が目視でレールを点検したが異常は確認できず、社員による手信号で一時運行を再開した。

 しかし同8時30分ごろ、再点検で破断を発見。すき間に継ぎ目板をあてる処置を行い、同9時40分ごろに運行を再開した。

 同社によると、原因は列車の荷重が繰り返し掛かったこととみられ、詳細は調査中。今回破断したレールは1986年8月に設置された。昨年6月6日に実施したレールの傷を調べる機械点検や、3月10、18日の定期点検では異常なかったという。

 この日、JR北海道は札幌市内の本社で緊急の記者会見を開き、幅口堅二工務部長が「多くの客に迷惑を掛け申し訳ない」と陳謝し、原因について「86年当時の溶接作業に何か問題があった可能性もある」とした。

 道南では昨年2月にも、JR江差線木古内駅付近でレール破断が発生。昨年12月にはJR室蘭線でも起きたが、溶接方法が違ったため、今回のレールは直後の緊急点検の対象にはならなかった。

 今回の問題を受け、同社は破断したレールと同時期に施工した117の溶接カ所を緊急点検する方針。



◎日本海沿岸でも緊張感じわり…北朝鮮ミサイル発射

 【江差】北朝鮮が4月4日から8日に長距離弾道ミサイルとみられる“人工衛星”を発射すると予告した問題で、北朝鮮は秋田県沖約130キロの日本海を危険区域に指定し、船舶や航空機が進入しないよう国際機関に通告した。危険区域まで最短で150キロ程度とされる渡島半島の日本海沿岸でも「実際はどこに飛んでいくのか分からない。北海道には影響がないのか」(桧山管内の漁業関係者)と、緊張感をじわりと高めている。

 通告によると、多段式の弾道ミサイル発射がされると、1段目が秋田沖に、2段目が千葉沖に落下するという。秋田沖では、東西250キロ、南北20キロの範囲内が危険区域とされ、海上保安庁や水産庁が注意を求めている。

 危険区域まで渡島半島の日本海沿岸からは最短で150―200キロ程度の距離がある。桧山管内の町役場は「直接的な影響は考えられない。国や道からの注意情報もない」という。一方で「発射コースがそれて危険が迫った場合は速やかに警戒情報が届くのか」(他の町役場)という懸念もある。

 日本海では初夏にかけて多くのイカ釣り漁船が魚群を追って北上。道南各地の漁船も山陰や北陸を皮切りに、秋田沖から本道の日本海沿岸に移動してくる。4月の秋田沖はイカ漁のシーズンから外れており、危険区域で道南の漁船が巻き込まれる可能性は低いとみられる。だが、桧山管内の漁業関係者は「北朝鮮のミサイルはどこに飛んでいくか分からない。北にずれれば桧山にも影響が及ぶ」と表情を曇らせる。

 2006年7月に北朝鮮が7発の弾道ミサイルを日本海に発射した際、ひやま漁協(乙部町)は「日本海の漁船を危険にさらす」として抗議文を提出した。同年10月の北朝鮮による核実験でも緊張が高まったことから、関係者も動向を見守っている。(松浦 純)



◎中古車フェア、ずらり400台

 函館地方中古自動車販売事業協同組合(JU函館、矢代善彦理事長)の中古車展示販売会「春のスタートダッシュフェア」が21日、函館市西桔梗246の同組合特設会場で始まった。

 同組合が毎年春と秋の年2回開いている展示販売会で、今回は同組合に加入する中古車販売会社14社が約400台を展示、販売している。

 会場には、トヨタやホンダなど各メーカーの人気車種や新型車、高級車が並び、価格も支払い総額20万円から100万円台とさまざま。ハイブリット車や福祉車両も取りそろえ、来場者は運転席をのぞいたり、販売員に質問するなどしながら好みの車両を品定めしていた。

 車両の展示販売のほか、ラジコンカーの体験コーナーや購入者を対象に加湿器などが当たる抽選会も行われた。

 矢代理事長は「組合としても社会福祉に貢献したいとの思いでフェアを続けている。多くの人が楽しめるようイベントも企画した」と話している。

 同フェアは22日も午前9時から同会場で開催し、ラジコンカーレース(同8時半から出場者受け付け)やイカロボット体験講座(同10時から)などが行われる。(鈴木 潤)