2009年7月17日 (金) 掲載

◎来年度から旧4町村地域 家庭用以外の水道料金統一

 函館市は2010年度、旧4町村地域の家庭用以外の水道料金を、旧函館市内に適用している料金に統一する。新料金となった場合、市の試算(08年度決算ベース)では対象となる482件中、65%(315件)は負担が軽減する。一方で平均料金は年間1万5709円増額となり、使用量などによって恩恵が異なる。12月の定例市議会に関係議案を提出する予定。

 16日に戸井支所で開いた本年度第1回目の函館市戸井地域審議会(尾関忠義会長)で明らかにした。今後南茅部、恵山、椴法華の3地域審議会でも順次説明する。

 対象となるのは、公の施設や事務所などの団体用、飲食店や旅館などの営業用、水産加工業の施設や荷さばき所などの水産加工用、病院用など。合併協議会の決定を受け、合併後5年間は旧4町村時代の異なる料金で徴収していたが、09年度でこの期間を終えるため統一する。市水道局は「同一用途、同一水量であっても料金が異なる不均一を解消したい」などと説明した。

 これまでより負担が減る対象者は、戸井では83%、恵山では62%、椴法華では57%、南茅部では63%。年間の平均差額は戸井は4万3713円減るが、ほかの3地域では増加し、恵山が最も多い5万7302円増に。一例では、水産加工用(口径40ミリ)の使用水量500立方メートルでは、これまで戸井は8万1800円、南茅部は4万7103円だったが、今後は8万619円となる。

 審議会では、負担の増減や累進度について委員から質問があり、水道局は「戸井の場合は負担が軽くなる割合が高いが、地域ごとに異なる」などと答えた。



◎タウン誌「街」初の展示会 創刊号から現在まで振り返る

  函館のタウン誌「街」(発行人・西野鷹志さん)の編集室は、1962年の創刊号から現在までを振り返る初の展示会を18―24日まで、函館市末広町4の市地域交流まちづくりセンターで開催する。「街」は最新の夏号で523号を数え、43年間発行に携わった故木下順一さんの随筆や評論をはじめ、多くの市民が文章を寄せるなど長年にわたり親しまれている。初日午後3時からは朗読と講話のオープニングイベントが行われる。

 「街」は月刊タウン誌「函館百点」として62年に創刊。その後「月刊はこだて」を経て、79年に現在名に改名された。時代を少し辛口に批評した木下さんの「トーク・トーク」など多彩なコーナーを盛り込み人気を博したが、前立腺がんを患った木下さんが2005年10月に死去。同年2月に休刊していたが、編集仲間が翌年6月に季刊誌として復刊させた。

 このほど発行した夏号では、函館開港150周年にちなんだ対談第3弾としてロシア極東国立総合大函館校のイリイン・セルゲイ校長へのインタビューのほか、市民のエッセーも多数掲載している。

 展示会は「タウン誌街でたどる函館」と銘打ち、創刊号時代からこれまで発行した冊子520冊余りを並べるほか、カット絵や写真約10点、関連本なども展示する。オープニングでは過去の掲載内容から抜粋したエッセーなどを函館朗読奉仕会会員らが朗読するほか、郷土史家の近江幸雄さんが自身と街のかかわりなどを語る。入場無料。

 編集室スタッフは「朗読は声で時代の移り変わりを網羅したい。ぜひ一度足を運んで」と話している。問い合わせは編集室TEL0138・23・8870。



◎ナッチャン18日運航再開 就航準備本格化

 道南自動車フェリー(函館市港町3)の函館―青森航路の高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」が18日、9月末までの期間限定で運航を再開する。船が接岸する函館ターミナル(同)では、船内設備の清掃やメンテナンス、物販品の搬入などが本格化し、社員総出で準備に追われている。

 高速船ナッチャンは2007年9月に「レラ」、昨年5月に「ワールド」が青函航路で相次いで導入されたが、燃料高騰や利用客の伸び悩みから、昨年10月末で運航を取りやめていた。今回は地域の要望に応え、9月30日までの期間限定で一日1―2往復する。

 再就航を目前に控え、函館ターミナルでは準備に大忙し。16日も委託業者や社員ら約20人が設備の清掃や点検、荷物の搬入などに汗を流し、船内サービス担当の西尾由美さん(32)は「夏休みの船旅を安全に楽しんでもらえるようお客さまの目線でおもてなししたい」と話した。

 18日―31日と、8月24日―9月30日が一日1往復2便、繁忙期に当たる8月1日―23日は一日2往復4便運航。運航初日を含む7月18―20日の3連休は各便とも定員772人に対し、既に500人前後の予約が入り、乗用車も100台以上が予約で埋まっているという。

 同社は「高速船は国内外の複数社から売却やリースなどの引き合いがあり、今季が最後の運航になる予定。ETC搭載車の需要も取り込み、この機会に多くの方に利用してもらいたい」としている。問い合わせは同社函館支店TEL0138・43・4545。



◎函館市功労者に名取氏と米田氏

 函館市は16日、2009年度の市功労者を発表した。函館物産協会名誉会長の名取喜昭氏(78)と、前函館消費者協会会長の米田イツ氏(74)の2人。表彰式は8月1日午前11時から市民会館小ホールで行われる。

 市の産業経済や保健福祉、防災などに長年にわたり貢献した公益功労者が対象となる。

 名取氏は、水産加工・卸売業の不二屋本店(函館市西桔梗町)の取締役相談役で、道観光土産品協会顧問、みなみ北海道地区観光土産品公正取引協議会の顧問を務める。長年にわたり地域物産の販路拡大に努め、安定した販売高にするなど、函館市や近郊で生産された製品の商圏確立・強化に寄与したことが評価された。1992年には道産業貢献賞(観光事業関係功労者)を受けている。

 米田氏は現在、函館市水産物地方卸売市場運営協議会委員や道消費者協会理事、市廃棄物処理施設設置等指導要綱条例化検討会委員などを務めている。市消費者協会の活動では、消費者組織の拡充や消費者運動にかかわる人材の育成に取り組み、指導力を発揮して市民の消費生活の向上に寄与。2001年からことし4月まで同会長を務めた。07年、道社会貢献賞(消費生活関係功労者)を受けた。

 市功労者表彰はことしで61回目。西尾正範市長を座長とする市表彰審議委員会が選考し、決定した。昨年度までの被表彰者は個人587人、10団体。


◎私鉄総連 参院選に板倉氏擁立

 私鉄総連の第76回定期大会が15、16の両日、鹿児島県霧島市で開かれ、来年夏の参院選比例区で、函館市議の板倉一幸氏(58)を組織内候補に擁立することを正式に決定した。板倉氏は民主党から出馬する予定。

 本紙の取材に対し、板倉氏は「規制緩和によって厳しい環境に置かれている公共交通と労働者の生活を守り、雇用の格差是正問題などにも取り組みたい」と話している。

 板倉氏は1999年4月、函館バス労組などの支援を受けて市議に初当選し、現在3期目。同年5月から私鉄総連函館バス支部特別執行委員、2003年6月から民主党道8区総支部幹事長を務める。8月30日投開票予定の次期衆院選でも道8区幹事長、合同選対事務局長として民主党陣営の指揮を執る。

 私鉄総連は旧社会党系の労働組合で、現在は社民党と民主党を支持している。加盟労組は全国の私鉄やバス会社の約230組合、組合員は約13万人。参議院の組織内議員が今期限りで勇退することとなり、全国の私鉄総連議員連盟の中から板倉氏が後継候補に絞られた。

 私鉄総連の北海道地方連合会に当たる私鉄北海道が6月18日、板倉氏を来夏の参院選に擁立することを決め、総連の定期大会で正式決定した。

 板倉氏は函館市出身。同市職員、鉢呂吉雄衆院議員秘書を経て市議となった。