2015年1月13日 (火) 掲載

◎函館市成人祭、1584人が出席

 成人の日の12日、第67回函館市成人祭(市、市教委、実行委主催)が函館市民体育館で開かれた。新成人1584人が出席。晴れ着や羽織、スーツ姿の若者たちは、笑顔で成人になった喜びを分かち合いながら、大人としての一歩を歩み出した。

 本年度の新成人は1994年4月2日から95年4月1までに生まれた人で、該当者は2282人(男性1162人、女性1120人)、出席率は約70%だった。

 式典で工藤寿樹市長は「今年の成人の人数は、皆さんが生まれた年の半分。皆さんはダイヤモンドのように貴重な人材」とし、「つまづいたり失敗することもあるだろうが、若いうちはいくらでも取り戻すことができる。自分の人生を楽しみながら、ぜひ前を向いて進んで行ってほしい」とあいさつした。

 新成人を代表して阿保孝彦さん(20)と田川菜奈さん(20)が「若いエネルギーと大人の自覚を持って、国際社会の一員として信頼される社会人になり豊かな社会を築くよう努めます」と誓いの言葉を述べた。

 また、市内で活躍するマーチングバンドサークル「MAXIMUM Drum&Bugle Corps」がお祝いの気持ちを曲に込め演奏で門出を祝った。

 続いての実行委(志村幸穂実行委員長)主催の祝賀行事では、懐かしの給食配布や抽選会を実施。抽選会で1等旅行券5万円分を当てた埼玉県の印刷関連の工場で働く佐々木拓也さん(19)は「とてもうれしい。今度函館に戻ってくるときに使いたい」と笑顔を見せた。(蝦名達也)



◎市民体育館40年間の歴史に幕

 市民に親しまれ続けた函館市民体育館が12日、閉館した。1975年2月の開館以来、道南のスポーツ競技の拠点、市民交流の場としてさまざまな場面で使用され、多くの思い出を刻み続けた。この日の成人祭が最後の催しとなり、若者たちの未来に向けた船出を見送った同館は、40年間の歴史に幕を下ろした。

 市民体育館は1973年10月に着工し、鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積7426平方㍍で、総工費11億円を投じ、75年2月21日にオープン。隣接する市民会館と一体性のあるデザインとなり、湯川地区は市民の文化・スポーツの一大拠点となった。競技場として使用するアリーナ部分やトレーニング室をはじめとした多目的な利用を想定した施設で、開館以来の入場者は昨年12月に1000万人を超え、多くの市民がスポーツに汗を流した。

 最後の催しとなった成人祭の終了時には市教育委員会の職員が会場を後にする新成人に向け、「閉館する体育館に最後に『ありがとう』と声を掛けて下さい。皆さんの温かな声で体育館が笑顔になります」とアナウンス。午後3時前にはすべての新成人が会場を後にし、業者や関係者による会場の撤去作業が行われた。

 山本真也教育長は「いろいろな場面で使われ続けた体育館で、市民にもさまざまな思い出があると思う。建物にとっても新成人を送り出す成人祭でお別れをすることができたのは良かった。函館アリーナにしっかりと役目を引き継ぎたい」と話していた。

 体育館は館内の備品撤去後、解体作業が行われ、跡地はアリーナや市民会館利用者の駐車場となる。(今井正一)



◎晴れ舞台 着物で華やかに、市内美容室で着付け

 函館市成人祭が開かれた12日、市内の美容室などには多くの新成人が着付けや記念撮影に訪れた。

 市内で美容室などを展開するビューティーコンシェルジュあおき(青木幸子オーナー)は亀田本町の本店とホテル雨宮館に着付け会場を設置。朝早くから美容師らスタッフが色鮮やかな着物や帯を手際よく着付けていった。

 新成人の藤原希さん(20)は「着物を着るのは初めてで、3着試着してじっくり決めた。きれに仕上げてもらってうれしい。成人祭で旧友に会えるのが楽しみです」とにっこり。青木さんは「11、12日の両日、60人のスタッフで約170人の着付けをした。北斗市や七飯町からのお客さんも多かった」と話していた。(平尾美陽子)


◎14年の火災90件、前年比23件増

 函館市消防本部は2014年の火災件数をまとめた。発生数は前年比23件増の90件で11年以来3年ぶりに90件を超えた。また建物火災による焼失面積は前年倍以上の3090平方㍍と大幅に増加。同本部予防課は「春先に野火の発生が多かったことが増加した要因の一つ。野外でのごみ焼きは絶対にしないこと。火の元には十分注意してほしい」と呼び掛けている。

 同課によると、建物火災は前年比6件増の54件、車両火災が同1件減の7件。延焼火災は同1件減の3件あった。建物火災による焼失面積は、昨年8月に発生した函館どつくの火災が影響し、同1713平方㍍増の3090平方㍍と大幅に増加した。

 その他の火災は同16件増の28件で、このうち野火が同10件増の17件。野火による焼失面積は6万6119平方㍍に上り、同年比の約120倍となった。また昨年4月には大船町で、7年ぶりに林野火災が発生し、ヘリコプターで消火活動を行ったが、5・3㌶を焼失した。

 原因別では、たばこの不始末が同7件増の16件で最多。昨年まで8年連続トップの放火(疑いを含む)は前年同数の12件で2位で、3位がコンロの11件(同3件増)、たき火が10件(同7件増)だった。このほか、電気配線が5件あり、同課は「古い配線がショートし、火災につながるケースが増えているので一度は点検が必要。また、たばこの不始末には特に注意してほしい。灰皿にたまった吸い殻は、完全に消火したことを確認してから捨てて」としている。

 死者数は前年と同じ3人で、負傷者は同5人減の17人。65歳以上の死者は1995年以来20年ぶりにいなかった。また火災にはならなかったものの、コンロの取り扱い不注意や火の消し忘れなどが45件あり、65歳以上の高齢者に多いという。同課は「昨年は65歳以上の死者がなかったのが、今後も火の消し忘れなどに十分注意し、火を使う際は、絶対に離れてはいけない。住宅用火災警報機を設置するなどの防火対策をしてほしい」と呼びかけている。(小林省悟)