2015年6月1日 (月) 掲載

◎下坂プロ 貫禄勝ち コンピューターと囲碁対局

 第29回人工知能学会(会長・松原仁公立はこだて未来大教授)全国大会は2日目の5月31日、同大で公開イベント「コンピューター囲碁はどこまで人間に迫れるか」を行った。世界最強のコンピューター囲碁ソフト「Zen(ゼン)」と、函館白百合学園高卒でプロ棋士の下坂美織二段(27)=帯広出身、日本棋院東京本院所属=が対局し、下坂二段が勝利を収めた。

 コンピューター囲碁は人工知能研究の一分野で、大会での対局は今回で3回目。一昨年の富山大会、昨年の松山大会ともコンピューターがアマチュアの強豪を破っており、初めてのプロ棋士との対局を見ようと多くのファンが集まった。

 会場では、開発チーム「DeepZen」の加藤英樹代表が代指し、小林覚九段が解説した。Zen側に3子のハンディを付けて行われた。

 前半は好勝負を繰り広げたが、後半に差が付いて最後は下坂二段が制した。対局後、下坂二段は「3子を与えるハンディ戦で勝つことができてうれしい」と笑顔を見せた。また、「ハンディなしでコンピューターがプロに勝つには、まだしばらく時間がかかると思う」との認識を示した。

 対局を見守った未来大修士課程1年の松田隼士さん(23)は「同じ帯広出身なので、下坂さんを応援していた。コンピューターも強く、人間に近い思考が実現できている」と話した。(山崎大和)



◎食通の船ロストラル 函館初寄港

 フランスの客船運航会社ポナン社の「ロストラル」(1万700㌧)が5月31日、函館に初寄港した。函館では珍しいクルーズの最終寄港地となり、外国人中心の乗客は大きな荷物とともに下船。西埠頭に約4時間停泊した後、カナダ・バンクーバーを目指して出発した。

 同船は全長142㍍、全幅18㍍。全132室が海側にあり、乗客定員は264人。小型船ながらヨットスタイルのクルーズを楽しめる最高級の船で、パリの名店監修のフルコースが味わえる「ガストロノミックシップ(食通の船)」としての評価も高い。日本発着クルーズは同21日に大阪を出港。横浜、広島、韓国・釜山、金沢などを経て函館に到着した。

 国内代理店マーキューリートラベル(横浜)の東山真明代表によると、今回のクルーズ客の半数が航空路で来日したフランス人といい、アメリカ、オーストラリア人も多く、日本人は平均で30人程度乗船。夫婦でクルーズを楽しんだ千葉市内の男性(69)は「ゆったりしているし、乗客1人に対するサービスも濃厚。食事も極めてぜいたくで、文句なしの船旅でした」と話していた。

 船内での歓迎セレモニーでは、片岡格副市長が「函館初寄港を楽しみにしていた。再び函館を訪れてくれることを期待しています」とあいさつ。函館観光コンベンション協会の森健二副会長が初寄港記念の盾を贈った。ジャン・ルメール船長は「熱意ある歓迎に感謝している。長い旅も函館でいったん終わり、バンクーバーに向かう。来年も寄港することを考えている」と話した。(今井正一)



◎製造業出荷額4.2%減 函館市工業統計調査結果

 函館市は2013年の工業統計調査結果をまとめた。市内の製造業者の事業所数は前年比2・3%減の292事業所、従業者数は同3・2%減の8135人、製造品出荷額は同4・2%減の1702億4824万円だった。事業所規模、出荷額ともに減少傾向が続いている。

 調査は13年12月末現在で従業者数4人以上の事業所を対象に実施した。

 出荷額が多い産業別にみると、全事業所数の45・5%を占める食料品製造業は133事業所で、従業者数は4717人。出荷額は全体の53・6%に当たる913億3695万円だった。前年より事業所数は3件減り、出荷額は約30億円減少している。

 続いて、輸送用機械器具は23事業所で、出荷額は248億9160万円で約77億円減少。電子部品は3事業所で127億9913万円、生産用機械器具は13事業所で89億7668万円だった。

 1事業所当たりの従業者数別にみると、4〜9人が104事業所で最も多く、10〜19人が79事業所、20〜29人が53事業所と30人未満の事業所が全体の8割を占める。

 道南全体(渡島・桧山)では事業所数は同0・3%減の613件、従業者数は同1・8%減の1万7328人、出荷額は同5・8%減の3556億9938万円。函館圏(函館、北斗、七飯)では事業所数は381件、従業者数は1万1761人、出荷額は2479億9640万円だった。(今井正一)


◎函館で「関係ねえ!」 競馬場でフェスタにぎわう

 「みんなでGO!GO!フェスタ」を開催中のJRA函館競馬場に31日、お笑いタレント小島よしおさんが来場し、ライブを行った。子どもに人気の「ごぼうのうた」などを披露し、訪れた大勢の家族連れらを爆笑の渦に巻き込んだ。

 小島さんは当初服を着て入場したが、ステージ横でおなじみのブーメランパンツ姿になると、客席からは大歓声。「そんなの関係ねえ」「おっぱっぴー」「ダイジョブダイジョブー」などのギャグを惜しげもなく披露した。

 小島さんは「函館に来ることができてうれしいしい。競馬場でのライブは初めてで、こんなにたくさんの人がいて驚いた」と笑顔。函館市の多田緋奈乃さん(15)、綾花さん(12)、塔弥君(9)のきょうだいは「テレビで見るよりおもしろかった!」と興奮気味に話していた。

 1回目のライブ中には、この日のGⅠレース「日本ダービー」の予想も行われを、終了後には小島さんが予想した勝馬投票券を先着100人に販売。抽選で10人に小島さんのサイン入りグッズを贈呈した。グッズが当たった函館市の堀口信一さん(49)は「小島さんの大ファン。来て良かった」とほほ笑んだ。

 このほか、函館中央署の車両展示や農産物即売会など多彩なイベントが行われ、終日にぎわった。(稲船優香)